2011-02-02

鎌仲ひとみ監督に聞く【1】 「地方から東京へ押し寄せてきた映画です」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

田ノ浦からみた祝島(写真提供:鎌仲ひとみ監督)

鎌仲ひとみ監督作品
「ミツバチの羽音と地球の回転」http://888earth.net/
2011年2月より 渋谷・ユーロスペースにて、未来を作るロードショー!
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=309

【速報!!】渋谷UPLINKにて『ヒバクシャ』『六ヶ所村ラプソディー』が上映決定!
http://888earth.net/staffblog/2011/01/uplink.html
『ヒバクシャ』http://www.uplink.co.jp/factory/log/003859.php
『六ヶ所村ラプソディー』http://www.uplink.co.jp/factory/log/003858.php

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未来のエネルギーをどうするのか?
祝島(いわいしま)とスウェーデンでエネルギーの自立に取り組む人々の物語

全国600ヶ所以上で上映され、大きな社会的反響を読んだ『六ヶ所村ラプソディー』(06年)より4年―。『ヒバクシャ―世界の終わりに』、『六ヶ所村ラプソディー』に続く、鎌仲ひとみ×グループ現代が世に問う<三部作>ついに完成!

<ストーリー>
瀬戸内海に浮かぶ祝島の真正面に、原発建設計画が持ち上がって28年。島民は一貫して建設に反対してきた。島では海藻や鯛をとり、無農薬のびわを栽培して千年も前から生活が続けられている。最も若い働き手、孝くんは妻子を抱えて自立を模索している。その行方を阻むように着々と進められる原発計画。島民は一体となって阻止行動に出る。
孝くんの眼差しの先にはスウェーデンの取り組みがある。足元にある資源で地域自立型のエネルギーを作り出すスウェーデンの人々が目指すのは持続可能な社会。それを支えるのは電力の自由市場。原発重視かつ電力独占体制の日本のエネルギー政策を変えるためにはどうしたらいいのか?
そして、祝島の未来はどうなるのか?

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★鎌仲ひとみ監督にインタビュー(2010年12月16日)

映画『ミツバチの羽音と地球の回転』は、「地方から東京へ押し寄せてきた映画」であり、「中央集権に異議を唱えている」とも。映画の宣伝にはばかる「壁」とは。映画に対するメディアの反応などについて鎌仲監督に聞いた。(聞き手:奥田みのり)

奥田)地方から東京へ押し寄せてきた映画、とは、どんな意味でしょうか。

鎌仲)中央から地方に政策などをおろしていく流れの逆をいくという意味です。金沢や山口で自主上映会が行われ、2011年2月には、東京のユーロスペースでの上映が決まりました。地方から東京へ押し寄せてきた映画というのは、この動きのことです。
実は、『ミツバチの羽音と地球の回転』は、大手メディアに取り上げてもらえないのです。映画に壁があるので。

奥田)「壁」とは、映画のテーマについてですか?

鎌仲)そうです。電力会社という、(大手メディアの)日本最大のスポンサーが、この映画を、多くの人に見てもらいたいと望んでいない現実があって、それが、多かれ少なかれ、なんらかの障壁になっているので、祝島のことも、伝えられていない。エネルギーの現状も同じです。様々な壁があるので、口コミで宣伝しています。
口コミは時間がかかります。それでもブログに書いてもらったり、ツイートしてもらったり、アンダーグランドなメディアに載せてもらうことで、「こういう映画があるんだ」「この映画は見ておいたほうがいい」という発信を、底辺から広げていき、上映の機会につなげています。そのほうがいいかもしれないです。なぜなら、(今日のように)試写会を行っても、大手メディアの方はいらしゃらないですし。

奥田)試写状を大手メディアにだしても、誰も来ない?

鎌仲)はい。なので、こんな閑散とした試写になってしまうんです。

奥田)媒体に載せる・載せないは別にして、まず映画を見ようというのもないんですかね。

鎌仲)ないみたいですね。残念です。

奥田)私が思っている以上に、壁があるんですね。

鎌仲)厚いと思いますよ。ハンデをもっているんです。

奥田)でも逆に、私のように、あまり大手メディアにべったりの生活をしていないと、ツイッターとかブログ、口コミが、情報のソースなんですね。そうしたソースで、この映画の評判は聞いていましたから、私なんかは、「なぜ私はまだ見に行ってないんだ?」というくらいの心持ちでいました。接しているメディアによって、受け取る情報の種類や質は違うなと、再確認しました。

鎌仲)ネットをしない人も絶対数いますし。ですので、あまりネットをしない層にも情報を届けたいのです。そこに障壁があると感じています。

奥田)今まで地方でやってきた上映会では、ネットをやらない方々にもにも、アピールできたのでしょうか?

鎌仲)地域のなかに自主上映をする主催者が入っていて、前売り券を一枚一枚 手売りするんで、本当に、草の根の上映運動が、地域社会の毛細血管にまで入っているという感じです。たとえば12月18日に、長野の上田で上映するんですが、主催者からのメールによると、今400枚くらい売れていると。それは、何十人かのスタッフが、前売り券を自分の知り合いに売ってくださっているからなんです。

奥田)地方から始まった上映で、今のところ何箇所で、何人くらいの方が映画を見たのでしょう

鎌仲)65ヶ所くらいで、12,000~13,000人くらいだと思います。最初のお披露目のときは、3回の上映で1200人。鎌倉の連続上映会では、3ヶ所で1000人でした。

奥田)鎌倉で1000人が見た上映ですが、それでも、神奈川新聞などからは取材はないのでしょうか?

鎌仲)ないですね。上映告知の小さい記事は載ります。それより、『天然生活』という雑誌が、鎌倉の上映が終わったあとに、上映会を取り上げた特集記事を4ページにわたり掲載してくれました。いわゆる「エコ」な雑誌のほうが感度が高いようです。

(インタビュー【2】に続く)



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「ミツバチの羽音と地球の回転」
http://888earth.net/
2011年2月より 渋谷・ユーロスペースにて、未来を作るロードショー!
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=309

【速報!!】渋谷UPLINKにて『ヒバクシャ』『六ヶ所村ラプソディー』が上映決定!
http://888earth.net/staffblog/2011/01/uplink.html
『ヒバクシャ』http://www.uplink.co.jp/factory/log/003859.php
『六ヶ所村ラプソディー』http://www.uplink.co.jp/factory/log/003858.php

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奥田みのり

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“フリーランスのライター Twitter→ https://twitter.com/minori_okd ”


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