webDICEの読者の方には新鮮なバンドかも知れませんが、僕が00年代後半から唯一夢中なバンドを紹介します。The Mirraz(ザ・ミイラズ)です。
アークティック・モンキーズのパクリを公言してデビューし、方法論を模倣しながらもサヴァイブし続け、どんどんオリジナリティが磨かれて行く姿には、洋楽のオマージュ満載だった渋谷系時代に青春を過ごした自分としては胸がアツ過ぎてどうしようって状態です。
このネット時代に公言してしまう大胆さがふてぶてしいし、マシンガンのように繰り出される歌詞が圧倒的に面白い。ユーモアと怒りと愛を忘れずに、チープなことをチープなまま、不快な事を不快なまま、楽屋オチを楽屋オチのまま、ジャンクな言葉も並列に羅列して行くのが正直で痛快なのです。自分が年下のバンドに励まされ傾倒することなんて一生無いと思っていたのですが、もう個人的にはイタコなんじゃないかってくらいの存在に感じてて(笑)心から敬愛しています。
若手の邦楽バンドに苦言をすると、歌詞が観念的・抽象的過ぎて、僕みたいなアラサーには全然伝わって来ないのね(笑)こんな世の中だから、そういうことってなんかどうでも良くてさ。その点、ミイラズはヒップホップに近い直接性、具体性があるから。M.I.A.みたいな新曲『TOP OF THE FUCK'N WORLD』の歌詞を引用すると「このクソくだらない世界で/躁鬱病になったって/会社クビになったって/アル中になったって/君に見捨てられたって/宗教にはいったって/借金抱えたって/ハゲたって/生きていくんだ」って、こんなサビ(笑)どんな邦楽バンドにもあり得ないです。
現在、彼らのマイスペースでは9月発売のサードアルバムから二曲の視聴が可能。サードアルバムでアークティック・モンキーズはやや失速気味になったけど、ミイラズはそんな心配が要らなそう。TSUTAYAで期間限定のフリーレンタル盤がスタートしたので未聴の方は、速攻でツタヤへどうぞ。曲目をパッとみても、ここまで無料でいいのかってほど(ほぼ)ベストアルバムみたくなっています。もちろん引用した『TOP OF THE FUCK'N WORLD』も収録されています〜。
text hasegawaayumu(MU)
■The Mirraz on MySpace
http://www.myspace.com/themirraz
■サードアルバム『TOP OF THE FUCK'N WORLD』9月8日発売
http://amzn.to/9PNh2G
■内証的な曲が混在するのも魅力的。セカンドアルバムより代表曲『シスター』。