2010-07-22

『デルタ 小川国夫原作オムニバス』クロスレビュー:小川国夫作品への異なる眼差しから浮かび上がるもの このエントリーを含むはてなブックマーク 

ジム・ジャームッシュがひとりで織り上げた『ナイト・オン・ザ・プラネット』『ミステリー・トレイン』から総勢18人の監督が参加した『パリ、ジュテーム』まで、さまざまなオムニバス映画が存在する。それぞれが独立した物語としてのめり込むことができると同時に、通して映画を観たときに、ひとつひとつを観るだけでは感じられなかった関連性が浮かび上がってくるところに、このような形態の映画のおもしろさがある。別々の作品がどのような観点でリンクされるか(もしくは飛躍するか)というポイントは、たとえば音楽におけるミックステープやコンピレーションと比べると、よりその境界がはっきりと別れている。『デルタ 小川国夫原作オムニバス』もまた、3人の映像作家がそれぞれ20分ほどの時間のなかで、作家・小川国夫の世界観を独自に解釈している。与那覇政之、高野貴子、小沢和史という3人の監督が、小川国夫の作品の持つ内省と死の匂いをどのように自らの映像として表現しているのかが、今作の見どころであると思う。

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駒井憲嗣

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駒井憲嗣


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