勝井祐二(音楽)+迫田悠(映像)
現在休館中の東京都品川区の原美術館で『BLANK MUSEUM』が開催、8月28日は『LOOKING FOR THE SHEEP day1』が行われた。
8月26日から4日間にわたって開催されるクロスカルチャー・イベントの第3日となる『LOOKING FOR THE SHEEP day1』は、前の2日間と趣を変え、3組のパフォーマンスと4組のライブ、さらにはポールダンサーも加えて行われた。観客はナビゲーターの羊に連れられて原美術館を探検をしながら、常設展示とともに館内をそれぞれに見てまわった。
炎天下の中庭に突如、回転すると発電するポールと扇風機(!)を持って登場したのは、DOMMUNE出演でも話題を呼んだポールダンサー、メガネとアンダーウェア。続いて「あー夏休み」まで交えての野外フェス仕様で挑み最後の「対話の可能性」まで存在感を提示した日比谷カタン。間髪入れずホナガヨウコ企画は『スポーツバンドと美術館ツアー』というタイトルの通り、スポーティーで快活な踊りで庭で遊ぶ子供も踊らせた。人間味溢れるノイズを放出した山本精一+JOJO広重のアクトでは穂高亜希子がゲストとして出演し、今年発売されたオムニバス『日曜日のうた』からの楽曲も披露した。東野祥子は『Looking for the BLACK SHEEP.』と題し、演出・音楽にカジワラトシオ、映像に斉藤洋平、さらに音楽に中原昌也を迎え、脳内を刺激する。
伊東篤宏と山川冬樹は原美術館の屋上から壁に蛍光灯をつるし、伊東のOPTRON、山川の心音、ホーメイとイギルというセッションによりテクノのミニマリズムと原初的なリズムをノイズのなかに融合させる。飴屋法水たちには、ZAKや伊藤ガビンといった豪華スタッフ陣も加わり、『馬』を題材に、館内のインスタレーションとともに、緑の芝生の上に日常に生まれる裂け目を描く。ラストは原美術館の白い壁面に映された迫田悠の映像と、勝井祐二のエレクトリック・バイオリンが崇高かつサイケデリックなビジョンを原美術館の上空に浮かばせた。
多様なパフォーマー、ミュージシャンがもともと邸宅であったという原美術館の建物を存分に利用し、なにも展示されていない美術館だからこそ可能な完成度の高い表現を行うことで、『LOOKING FOR THE SHEEP day1』はすこぶるカオスな内容となった。
最終日となる8月29日(日)『LOOKING FOR THE SHEEP day2』にはホナガ、東野、飴屋に加え、Shing02、エミ・マイヤー 、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルーが出演、当日券も発売される。
(文:駒井憲嗣 撮影:山川哲矢)
オープニングに特別出演したポールダンサー、メガネとアンダーウェア
日比谷カタン
ホナガヨウコ企画
山本精一+JOJO広重と穂高亜希子
ナビゲーターの羊(ひつじのさんぽ/のぎすみこ)
東野祥子
伊東篤宏+山川冬樹
飴屋法水たち
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BLANK MUSEUM予告編 /全日程VJとして中庭に面したスタジオで、中継映像をその場でミックスしプロジェクターからシューティングする、三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)が編集。
『BLANK MUSEUM』原美術館
●2010.8.29(日)“LOOKING FOR THE SHEEP day2”
Performance:飴屋法水たち、東野祥子、ホナガヨウコ企画
LIVE:エミ・マイヤー feat.Shing02、種子田郷+さとうじゅんこ、テニスコーツ、マイア・バルー
Navigator:のぎすみこ(ひつじのさんぽ)、大石麻央(動物マスクの人体彫刻)
Overture:JON(犬)
VJ:BLANK MUSEUMスタジオ:三代川達(ワタナベカズキ、シラヤナギタク)
14:00開場/15:00開演/20:00終演
料金:当日6,000円 ※当日券は13:00より会場受付にて販売
詳しくはhttp://www.webdice.jp/blankmuseum/まで