きのうは、UPLINK吉祥寺のオープニングの日だったけれど、
私はそれよりも、新百合ヶ丘のアルテリオシネマのほうへ。
というのも、シネマカリテで見損なった『心魔師』を
先月、横浜のシネマリンでようやく見たんだけれど、
なんとなくもう1回見たい気持ちがしていて、その後川崎でやることがわかり、
しかも、きのうの最終日は監督のトークもあると知って、そちらにしたのだった。
そしたら、今回二度目に見てようやく話の全体がわかり、
謎のままだった部分の謎も解けたよ(1回でわからなかった私ってなに?)。
まだ見ていない人も多いと思うので、
種明かしになるといけないから詳しくは書けないのが惜しいとこだが、
あの及川光博似のヘンタイ精神科医と、中国人の女との関係は結局なんなの
(関係はわかるが、二人の間に横たわっているものはなに)?
とか、
その女が、精神科医に向かって「あの子はここを出たがっている」
とさとすようなことを言いながら、
その"あの子"に向かっては、「じゃましないで」
と矛盾することを言うのはなぜなの?
とか、
まだ小さかった"あの子"が初めて出会ったはずの精神科医にほほえみかけ、
中国語で話しかけて抱きついたのはなに?
とかいうところがようやく筋が通り(それなりに想像で理屈がつけられ)、
サイコホラー(心理もの)ともオカルトホラー(心霊もの)ともつかない話になっていることがわかったのだった。
そうやって見ると、
バスに乗っていた人々の最後の寂しげな表情も、
反面、明るい未来が提示されているような終わり方も、
単にキレイにまとめたというよりも、じんわりと心に沁み入ってくるシーンとなるのだった。
(ああ~、種明かしが書けないと、使いたい言葉が使えず、言いたいことも言えなくてもどかしい~)!
いちおう、ホラーってふれこみになってるんで前半は十分にサスペンスフルだけど、
後半は生きていこうとする者の葛藤が感じられる仕上がりになっている。
そう、着くはずのバスは着かなかったんだね。
すべてはそこから始まった。
そこらへんちょっと説明不足で、登場人物の背景が描かれ切っていない感は否めないけど、
郊外の精神病院を舞台とした不気味な雰囲気はよく伝わってくるし、
心に暗部を抱えたそれぞれの登場人物の不安定さもよく感じられる。
しかし、話がようやくつかめたのが2回目に見た最後のあたりなんで、
それをふまえて、もう一度見直してみたい気もするが。
それがこの映画の仕掛けた罠なのかな。