2018-06-23

『ユルリ島の野生馬』展 このエントリーを含むはてなブックマーク 

お馬の写真展を見に行った

きのう、馬のカード(ペンタのナイト)を引いたからで、
引いた以上はカードを有効に使おうと、
"そういや、これも見に行きたかったんだっけ…"と思って、
電車で行くとちょっと遠回りのルートしかないんだけれど、
西巣鴨にある大正大学内のアートスペース「エスパス空(kUU)」というところに出かけた。

『ユルリ島の野生馬』展。
http://taisho-kuu.tokyo/

なんかゆるっとしたタイトルにも魅かれるけど、
別にゆるゆるさせるのが目的の写真展じゃなくて、
北海道の滅びゆく人間と動物の共生の文化を伝えようとするもの。
今は無人島となっている、根室半島沖の島に棲息する元・使役馬たちの姿を撮ったものなのだった。

かつて昆布漁のためにその島に持ち込まれた馬たちは、時代の流れと共に用をなさなくなり、
島に生える笹を食べて自力で生き延びるよう、漁師たちによって島に置いていかれた。
でも、今ではもう牡馬が一頭もいなくなったので、後は絶滅するのを待つばかり。
そのなりゆきを人間の身勝手の結果と見るか、命あるもののさだめと見るかは人によるだろうけれど、
元々、島で馬たちがここまで生き延びてこられたのも、解説によれば餌こそ与えられなくても人間によって折々の出産調整が行われていたからで、
身近の自然というものは人間が手をかけなければ、ほどよい姿を保っていられないものだ。

という聞かされてきた話を実例として見せられたようでもあり、
そんな人間の思惑とは関係なくただただ生きてきた馬たちの姿を見たようでもあり、
結局は、見ている間にゆうるりとした気分にさせられてしまう展示なのだった。

なんといっても、ここで暮らす馬たちが、
北海道の厳しい自然に一年中さらされながらも、
そんなことはおかまいなしにゆったりまったりと過ごしているように見えて、
草を食む姿も、吹雪の中で立ち尽くす姿も、
静かで、おごそかで、見ているとついぼうっとしてきてしまう。

馬たちはきっとなにも考えていないんだろう。
会場には写真のほかに動画もあったんで、
30分以上はソファに座ってずっとモニターに見入ってた。

で、馬って言ったら、普通勢いのあるものや、あふれんばかりのエネルギーの象徴だと思うんだけど、
この無人島の馬たちはよくも悪くも無時間の象徴のようにも見えて、
そう言えば私の引いた馬のカードも逆位置で出たな、と思って、
今回、自分がここに引き寄せられてきたのは当然のような気もしたが、
進んでんだか進んでないんだかわからないようなこのお馬さんたちにこれ以上同調しているわけにもいかない、とも思い、
ああ、ゆっくりできた、と思った後はさっさと帰ることにした。

とはいえ、ちょうどお午時だったんで学食で和食B(430円)ってのを食べてからキャンパスを後にしたけど。
大正大は仏教系の大学で、その存在は知っていたけどキャンパスに入ったのはこれが初めてだった。
大学の学食もたいていはチェーン店が入っているんで量ばっかりでおいしくないんだけど、ここのはまあまあだったかも。

キーワード:

ユルリ島の野生馬


コメント(0)


Reiko.A/東 玲子

ゲストブロガー

Reiko.A/東 玲子

“human/cat also known as Nyanko A 人間/ねこ。またの名をにゃんこA”


関連日記

月別アーカイブ