今日の今日まで、かかれば薬物で治療をしないと死ぬ病気だと思っていた。
だって、スペイン風邪(インフルエンザ)で、かつて何千万人もの人が死んだんでしょ?
しかも、そのことがあってから、まだ百年も経ってないんでしょ?
それが単なる思い込みだったとは。あ~、なんか脅威感と警戒心のみが頭の中で勝手に大きくなっちゃってた感じ。
というのも、このたび人生で三度目(しかも、この十一年間で三度目。ちょっと多いんじゃ)のインフルエンザにかかり、
発症二日目にて医者に行って診断され、
処方してもらった吸入薬(イナビル)を薬局でその場で吸引し、
家に戻って寝込み続けた翌々日の今日、ようやく平熱近くまで熱が下がったので、
ちょっとネットでその薬品について調べてみたら、医者にも行かずに治そうとしている人がいるのにぎょっとして、自分の思い違いに気づいたのだった。
しかし、いくらなんでも薬物投与もせずに治そうなんて無謀じゃ……。
そんな人は保菌者のまま、オレ(あたし)は元来、丈夫だから! とか言って街をほっつき歩いてそう。
必ずしも死に至る病ではないことはこれで私にもわかったとはいえ、
やはり毎年死ぬ人が出ることには間違いないんだし、
いちおう、治療を始めて五日間、熱が下がった後も二日間は、
外勤めの人には出勤差し止めが奨励されているほど感染力の強い病気なんだから。
それはともかく、自分が高熱を発した時、
それがただの風邪か、インフルエンザかを見分ける私なりの方法は、
「生きる自信」を保ち続けられるかどうかということ。
高熱が出て、「あ~、早く治さなきゃ」と思えたらまだただの風邪だけれど、
熱は高いわ、体は硬いわ、節々痛いわ、で、こんなんでこの先自分はほんとうに生き抜いていけるんだろうか、とか思い詰め出したら、
それはもうインフルエンザである可能性がきわめて高い。
だから今回も、医者に出向いた時にはもう自分で察しがついていた
(ただ、確定してほしかっただけ)。
まあ、今回はこれまでと違って、生きてく自信を打ちのめされるまでには至らず、
単に「なんかもう、人生なんてどうでもいいや」程度の投げやりな気分だったが。
同じインフルの中でも、比較的マイルドなタイプだったのかも知れない。
で、薬局で吸入した後は、帰り道のセブレブ(7-11)で、
その名に引かれて、思わず「ふわもちドーナツ」とカップスープを買い
(ドーナツなんて、本来自分は全然好きじゃないのに。
しかしなにかやっぱりこういう時にはふんわりもっちりしたものを求めるのらしい。
ちなみにマスクしてたし、このくらいの立ち寄りは許してほしい)、
うちに帰ったけれどもそのドーナツは結局半分しか食べられず
(しかも、全然ふんわりもっちり感はなかった。それを出すには、粉がなんか違うでしょ)、
この日はみかん二つと、このドーナツ半分と、カップスープを口にしただけで眠った。
翌日のきのうはそのドーナツの残りと、いつ買ったんだったかの「ふんわりしっとりパンケーキ」(やはりセブレブブランド。こっちはほんとにふんわりしっとりしてる)の残っていた1枚と、四日も前に作った魚とこぶの煮物の残りと、ごはんと、みかん一個でなんとか二食。
そして、今日はいつもどおりに戻って、朝・昼・晩と多少粗末ながらも三食完食。
熱が出て伏せっていた間は、PCはいっさい立ち上げず(ネット見ず、メールチェックもせず)、TVもつけず、ラジオも聞かず、で通して、ただ横になって熱が下がるのだけを待っていた。まんがだけ総分数にして30分ぐらい、お茶を飲みながら小刻みに読んだかも。
しかし、吸入薬でインフルエンザの治療をしたのは今回が初めてだったので、
気管支にダイレクトに入るからよっぽど速効性があるのかと期待したが、
そんなことは特になく、日ごとに一度ずつ熱が下がっていくだけで、翌日になってもまだ37.8度をキープし、けさになってようやく36.8度程度に落ち着いたといったところだった。
当初の咳き込みが激しかっただけに、横隔膜はいまだに痛くてたまらないし、のどもまだ真っ赤に腫れている感じ。
ただし、これらは当然、徐々に収まっていくと思われる。
今回はインフルエンザにかかってもなんとか一瞬たりとも生きる自信を失いまではしなくてすんだし、インフルエンザがそこまで恐ろしい病気でないこともよくわかったが、一度かかるとやはりすぐには本調子には戻れないし、いくばくかの(いや、もしかするとかなりの?)疲労感を感じる。
今日も早寝してよく休み、世間の皆さまのためにも、あと二日間籠城するつもりです。