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6月

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終了フェルナンド・ペソーア原作舞台化「海の詩歌(オード)」来日公演

ペソーアのエキセントリックな「異名」、カンポスの傑作「海の詩歌」!カンポスが主演ディオゴ・インファンテに憑依して吼える!

  • 日程
    2015年06月30日

  • 時間
    19:30

  • 会場
    Bunkamuraシアターコクーン

『不穏の書』はペソーアの作品ではない。
彼の「異名」、ベルナルド・ソアレスの作品である。
同様に、「海の詩歌(オード)」もペソーアの詩ではない。
アルヴァロ・デ・カンポスの詩である。

「もうずいぶん前から、私は私ではない」のがソアレスならば 太古の海賊たちに思いを馳せ

「おれはおまえたちのすべての身ぶりを示す獣に、

船縁、キールに牙をくい込ませる獣に、

帆柱に喰らいつき、甲板にまかれた血とタールをすする獣に、

帆、オール、綱、滑車を噛み切る獣になりたかった、

罪悪で胃を満たす雌の醜悪な海蛇になりたかった!」

「おれはこの無抵抗な身体のなかで

海賊たちに犯され、殺され、傷つけられ、切り裂かれた女、
すべての女になりたい!

こころの底では海賊たちの雌として征服されたい!

そして脊髄を通してこのすべ て― いっぺんに
これらすべてのこと ― を感覚したい!」

と、あらゆるものを感覚し、あらゆるものになりたいと吼えるのが「海の詩歌」のカンポスである。

数多いるペソーアの「異名」たちの中でも傑出してエキセントリックなカンポスの妄想が「海の詩歌」で暴走し、爆発する。

「おれは破壊の起こる場にあったすべてでありたい!

血に染まる悲劇の場に生き永眠するすべてでありたい!」

6月30日、カンポスが憑依した俳優インファンテが観客を夢想へと誘う。

フェルナンド・ペソーア Fernando Pessoa (1888-1935)
20世紀ヨーロッパを代表する詩人・作家。リスボンに生まれ、南アフリカのダーバンで子供時代を過ごすが、その後は終生リスボンを離れることはなかった。ポルトガルへのモダニズム思想の導入と発展に寄与した。ひとりで何人もの「わたし」を創り、書くという無類の文学的企て「異名」を創造し、独自の表現世界を展開した。
日本では『ポルトガルの海』(池上岑夫訳・彩流社)『ペソア詩集』(澤田直訳・思潮社)『不穏の書・断章』(澤田直訳・平凡社)『不安の書』(高橋都彦訳・白水社)が出版されている。

アルヴァロ・デ・カンポス Álvaro de Campos (1890 – 1935?)
ペソーアの「異名」のひとりで70人以上いる異名の中でも特にペソーア本人と密接な関係を持った。スコットランドで工学を修め、グラスゴーに暮らす造船技師。ポルトガルの未来派を先取りしたり、退廃主義に染まったりと、文学的変遷が著しく、異名たちの中でも突出してエキセントリックな存在である。「海の詩歌(オード)」はカンポスの代表作とされ、得に奔放な作品と評されている。

ディオゴ・インファンテ Diogo Infante (1967 - )
シェイクスピアなどの古典劇の舞台に出演するほか、テレビドラマ、映画でも活躍するポルトガルを代表する俳優。国立劇場の芸術監督も務めるなど、ポルトガル演劇界を牽引する存在。本作は「海の詩歌(オード)」を愛するインファンテが舞台化を発案、実現にこぎつけた。「25年の俳優生活のなかでもっともハード」な試みだったという。

ジョアン・ジル (João Gil) (1955 -)
1976年にバンド「トロヴァンテ」を編成し、独立政権終結後のポルトガルの音楽シーンに決定的な影響を与えた。トロヴァンテ解散後も複数の人気バンドに所属し、ポルトガルロック・ポップ・ブームを作り上げたひとり。現在もギタリスト兼作曲家として活躍している。古くからの友人インファンテに誘われて「海の詩歌(オード)」の音楽を担当。インファンテとともに舞台に上がり、伴奏をつとめる。

フェルナンド・ペソーア「海の詩歌」Facebook:
https://www.facebook.com/Ode.Maritima.Japan

2015年6月30日(火)19:30~20:40
Bunkamuraシアターコクーン(東京・渋谷)

SS席 10,000円  S席 8,000円
A席  5,000円  コクーン席 3,000円
*コクーン席は特にご覧になりにくいお席です。
ご了承のうえ、ご購入下さい。

チケット取り扱い:
チケットぴあ (Pコード443-128)
☆電話:0570-02-9999
☆店舗:チケットぴあ全国各店舗/サークルK・サンクス/セブン-イレブン
☆HP:チケットぴあ( http://t.pia.jp/ )【要会員登録(無料)】

Bunkamuraチケットセンター
☆電話:03-3477-9999(10:00-17:30)
☆オンラインチケットMY Bunkamura http://my.bunkamura.co.jp/mybunkamura/
【要事前登録・PC&スマートフォン】
☆ Bunkamuraチケットカウンター(Bunkamura1F / 10:00-19:00)
☆東急シアターオーブチケットカウンター(渋谷ヒカリエ2F/11:00-19:00)

「海の詩歌」実行委員会チケットセンター
☆電話:03-3556-6176
☆e-mail: ode.maritime.japan@gmail.com

一期一会のこの機会をぜひお見逃しなきようお願いいたします。
☆ 一般社団法人日本ポルトガル協会会員は割引制度がございます。
詳しくは日本ポルトガル協会までお問い合わせください。
電話03-3333-6620     FAX : 03-3333-2712
Email : mail@nippokyokai.org

なお、車椅子でご来場のお客様は、当日スムーズにご案内させていただくため、公演前日までお問い合わせ先(03-3556-6176)までご連絡ください。

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