(C)TELEWIZJA POLSKA S.A. 2009
『トリコロール』三部作、『デカローグ』『ふたりのベロニカ』などの傑作を遺し、その芸術活動の絶頂期に54歳という若さで急逝したポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督。その軌跡をたどるドキュメンタリー映画『スティル・アライヴ』と、貴重な初期未公開作品を初公開するとともに、人間の「感情」と様々な「愛」のかたちを見つめ続けたその作品群が、ユーロスペースにて一挙特集上映される。
『スティル・アライヴ』はクシシュトフ・キェシロフスキ監督の没後10年を記念して作られた、キェシロフスキの映画作りに関する記録映画。学生時代に始まるドキュメンタリー製作から、ドキュメンタリーとドラマの混在、ドラマへの移行に至るまで、20数本に及ぶ作品について、キェシロフスキ自身の貴重な声、スタッフ、友人らが証言を行う。
アニエスカ・ホランド、イレーヌ・ジャコブ、ジュリエット・ビノシュといったキェシロフスキ監督とゆかりのある映画監督や女優たち、キェシロフスキ作品を支えた作曲家ズビグニェフ・プレイスネルと著名な弁護士で脚本の共作者でもあったクシシュトフ・ピェシェヴィチらが登場。キェシロフスキの映画作りに対する想いや素顔が垣間見られる貴重なドキュメンタリーである。
(このドキュメンタリー作品のタイトルは、英語での挨拶“How are you?”に対してキェシロフスキがきまって“Still alive.[まだ生きてるよ]”と答えていたことによる)
【『スティル・アライヴ』よりコメント】
■ヴィム・ヴェンダース
映画とは目に見えて 触れるものを描くものそれが大切と思ってた
だが 見えないものを描くことが美しいと 彼の映画で学んだ
とくに遺作となった『トリコロール』三部作で 彼は実践的で皮肉な唯物論者だったが
最後には 本当のヒューマニストになった
目に見えぬものを写していたのだ
■ジュリエット・ビノシュ
キェシロフスキに「ありがとう」としか言えなかった。
『スティル・アライヴ』
クシシュトフ・キェシロフスキ監督特集上映”キェシロフスキ・プリズム”にて公開
2009年6月20日(土)よりユーロスペースにて開催(他全国順次開催)
監督:マリア・ズマシュ=コチャノヴィチ
2005年/ポーランド/82分
提供・配給:ワコー/グアパ・グアポ
★6月27日(土)トークイベント開催(『スティル・アライヴ』18:45上映終了後)
和久本みさ子(映画評論家)×関口時正(東京外国語大学大学院 ポーランド文化論教授)
※上映日時詳細は公式サイトにて