2009-05-02

キェシロフスキ。。。だったのか このエントリーを含むはてなブックマーク 

実は、ずっと、「キシェロフスキ」だと思っていた。
こうして綴ってみて、改めて「キェシロフスキ」なのだと分かった。
なにを隠そう、映画好きを自負する私だけど、キェシロフスキの作品をちゃんと観てはいない。
この試写に際して『ふたりのベロニカ』をちやんと見直そうと思ったのだが、
「もしかしたら『スティル・アライブ』を違う側面から観られるかもしれない」
と思い直して鑑賞してしまった。

結果として「残念だ」と感じたのは、イレーヌジャコブが登場した時に「ああ!」と感じられなかったこと、だけだ。
実際、この『スティル・アライブ』は、キェシロフスキの映画を観ておらずとも面白い。
それは、まるで異文化の中にある【映画文化】という共通言語を聞く面白さのようだ。
子どもの頃から、そして終始一貫してなのだろうが、
「人とはなんだろう?人が伝えようとする愛とはなんだろう?」
というテーマを、
まるで自己証明のために綴り続けた一人の、ある意味で恵まれた人生の、物語だった。

彼は、もちろん映画を撮り続けてきたのだけど、それは、どうやら「映画が撮りたかった」からではなく、「ひと」を記録したかったようだ。
そして、記録したものを介して、様々な人達と会話をしたかったのだと思う。
「なあ、こんな瞬間をどうおもう?」
という問い掛けが、彼の他者への、そしてもちろん自身へのメッセージだと感じた。

そして、故に、多くの友人にも恵まれ、こうした映画として結実もしたのだろう。
芸術家の人生を俯瞰できる面白い映画だった。
6月からは渋谷で彼の作品が観られるようなので、この機会に、彼のメッセージを受取りに行ってみようと思った。

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みかん星人

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