2009-07-24

webDICE1周年/西武文化/ペヨトル工房 このエントリーを含むはてなブックマーク 

吉田アミさんの原稿に共鳴して思う事。
http://www.webdice.jp/dice/detail/1770/

西武文化を受け継ぐのは誰? という意味ではあの時代をリアルタイムに西武文化の中で活動した身としては、アップリンクはある意味西武文化の影響(スタジオ200、シネヴィヴァン、SEEDホール、西武劇場、スペースパート3)を強く受けているともいえる。

が、決定的に違うのは、あっちは文化がイメージ宣伝ツールだったのと違い、こっちは文化そのもので喰っていく覚悟があるところ。

結局、西武百貨店はそごうといっしょに、セブンイレブンと同じ資本のグループ会社になり、パルコは森ビルの資本が入りと、まず西武グループは先に(かっこの中のスペース)を次々と閉鎖していき、残った箱を別会社に売った。

切り捨てたのはまず文化だった。

さて、その儲からない文化だけでどうやって喰っていくかはアップリンクの日々の課題である。

そこに答えはない。

言える事はアップリンクは映画館やファクトリーの売上、タベラの売上、配給作品の売上、DVDの売上が全ての売上だという事。

ようするにお客さんがアップリンクを必要としなくなった時にアップリンクは、ペヨトル工房のように終わるのだろう。

でも強引な例えであるが、ペヨトル工房はアナログで、アップリンクはデジタルとも言える。ならば、デジタルの時代をアップリンクは生き残れるのではないか。

アップリンクで最初に配給したデレク・ジャーマンの『エンジェリック・カンヴァセーション』。この作品は、スクリーンに映した8ミリをビデオカメラで再撮影(3/4インチのアナログ)してそれをビデオ編集した作品だった。共同製作した『ザ・ガーデン』は当時のハイエンドフォーマットD1(デジタル)で合成、編集を行った。アップリンクは、設立時からデジタルの遺伝子を持っていた。

2作目のデレク・ジャーマン短編集は今のシネクイント、多目的ホールだったパルコ・スペース・パート3で上映したのだった。ここでぎりぎり最後の西武文化と交差している。

webDICEは、この7月30日でβ版公開から1年になる。
『アップリンク興亡史』をいつか書く事になるのかわからないが、今は回顧する余裕はない。

今野裕一×浅井隆 対談【前編】:「復刊した『夜想』は若い人に向けて発信したい」
http://www.webdice.jp/dice/detail/1667/

今野裕一×浅井隆 対談【後編】:「ネットは劣化コピーの温床」
http://www.webdice.jp/dice/detail/1667/

キーワード:

西武 / ペヨトル / デジタル


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浅井 隆

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