え、アイドルが全裸になった? ・・なんだ、男か(期待して損したよ)
しかし草彅さんも、酒じゃなくて大麻にしとけばああはならなかったんじゃないかなぁ・・大麻にとどめておけば・・(残念)
さて・・
オバマ家で飼うイヌが決まったようだ。「日本」だそうだ。ホワイトハウスでは代々このイヌを飼っている。主人に対してきわめて従順、忠実で飼いならしやすいという特徴を持つ。
自分の身を犠牲にしてまで主人に尽くそうとする献身ぶりが人気だが、もうカラダがボロボロになっているのにもかかわらずもっと尽くそうとし、結果、過労死してしまうケースも報告されている。オバマ家ではその辺に注意を払いつつ、一家にとって使い勝手のいい忠実なペット(コマ)に仕立て上げる方針。
さて・・
私は闘犬に関心があり、一回でいいから観にいきたいと思っている。デカいイヌ同士がガンッ!とぶつかり、ガブガブ噛みつき合っているのを間近で見たらスゴい迫力だろうなと思う。
去年高知に行った時、ちょうど闘犬をやっている時期だったが、「自由民権記念館」とか「龍馬の生まれたまち記念館」の見学を優先して、結局観にいかなかった(「自由民権記念館」の図書館に『オナニーと日本人』という本があった。時間がなかったのでちょっとしか読めなかったが、けっこうまじめでアカデミックな内容だった気がする。今度行ったら読もう)。
とはいえ・・闘犬はなんのために闘っているのだろう? そんな疑問がある。本当の敵は対戦相手のイヌじゃなく、人間なのでは? と思わなくもない。
似たような事はアメリカ兵にも思う。彼らはアメリカ政府が「敵」と見なした国とか軍隊とか“テロ組織”をやっつけるべく、イラクとかアフガニスタンとかで日々戦っているわけだが、本当の敵はアメリカ政府なのでは?
マイケル・ムーアの『華氏911』だったろうか、米軍のスカウトが“ロックタウン”みたいなショッピングセンターの駐車場で若者に声をかけているシーンがあった(本当にその映画だったっけ? 不明)。
平日の昼間にそんなところをぶらついている若者、つまり明るい未来があまり期待できない感じの若者は、スカウトにとって絶好のターゲットになる。「仕事がないのか? 軍に入れば給料が出るぞ? マックでバイトするよりずっといい」(想像・・だがまぁ、見当外れじゃないだろう)。
貧しい地域の高校生も、同じく狙いをつけられる対象だ。『ルポ 貧困大国アメリカ』にはそのあたりの状況がよく綴られている。
アメリカは学歴社会で、大卒の資格がないと職業も限られてくる。条件のいい会社に就くには大学を出ていないとなかなか困難だ。でも家にはカネがない、どうすれば・・・そこへ登場するのが、米軍スカウト。
「学費を肩代わりするよ、もし軍に入ったら」
ではなぜ、スカウトはその高校生が貧乏だと分かるのだろう? ・・もちろん、カラクリがある。
アメリカには「落ちこぼれゼロ法」という法律がある。あのサルの時代(ブッシュの時代)に作られた。全国一斉の学力テストを義務づけて、「成績のいい学校にはボーナスを、悪い学校には助成金カットとか教師にペナルティ(格下げとかクビ)を」というように、学校同士を競争させることでアメリカの学力を向上させよう、国力アップにつなげよう・・という理由で導入された。ホゥ、サルなりに頑張って考えたみたいだな(いや、サル自身が考えたわけではないだろうが)。
その法律にはこんな条項がある。「全米のすべての高校は、生徒の個人情報を軍のリクルーターに提出すること、もし拒否したら助成金をカットする」(注1)。それがカラクリだ。
助成金に頼った運営をしている貧しい高校からすれば、断るすべはない。そんなわけで生徒の個人情報や親の職業、年収まで軍に流れる。それをもとに効率的なスカウト活動が行なわれるという仕組み。カラクリの仕組み。
目に浮かぶようじゃないか↓
「ほう、こいつは移民の子か。なら市民権持ってないな。『入隊したら市民権をやるよ』それでいこう。
ホゥ、この子はお父さんが病気で働いていないのか。『軍に入れば兵士病院で良い治療できるよ。みんな健康保険を持ってないならもちろんとらせてあげるし』だな」そんなスカウトの姿が。
スカウトが心がけるのは「短時間で最大の利益」だという(注2)。生徒会長とか、運動部で活躍しているとか、成績がいいとか、学校で目立っている生徒に狙いをつけ、勧誘する。うまく口説き落とせたら、彼らは校内の人気者だから影響力はデカイ。「憧れの生徒が入隊したという噂はあっという間に広がり、自動的に入隊希望者を増やす」(注3)となるらしい。
ローンの返済に苦しんでいる学生、卒業生もまたターゲット。「返済を肩代わりするよ」と甘い言葉をかけて誘い込む。
あのサル大統領が行なった政策、大企業やカネ持ち優先の政策。そのあおりを食って教育予算は削られ、運営を維持するために各校で授業料は上がっていき、生活費を複数のカードでやりくりする学生が増え、奨学金の返済も重なってギリギリの学生生活が続き、カネを稼ぐためバイトを優先する中で思うように授業にも出られなくなり、中退がアタマにちらついたりして、何とか卒業しても相変わらずローンは残っていて、でもなかなか就職難だから条件の良い仕事に就ける人間は限られていて、仕方なく給料の低いハケンやバイトで食いつないでいく、そんな感じで思うように減らないローン、圧迫されジリ貧の生活・・そこに現われる米軍のスカウト「軍に入ればローンを肩代わりするよ。職業訓練だって受けられる」。
うまい仕組みだ!
「ワーキングプアの子どもたちが戦争に行くのは、この国のためでも正義のためでもありません、彼らは政府の市場原理に基づいた弱者切捨て政策により生存権をおびやかされ、お金のためにやむなく戦地に行く道を選ばされるのです」(注4)
アメリカにたくさんいるメキシコなどからの移民も、また重要なターゲットである。「入隊すれば市民権」そんなエサで軍に誘う。移民にとっては永住権を持っているだけではダメ、まともな就職が期待しにくく、さらには色んな理由で国に送り返されるケースもあるという。だからなんとかして市民権が欲しい。
そんな移民の気持ちを見透かしたかのように、2002年、入隊すれば市民権が得られるという新しい移民法が成立した。まるで、これから先も戦争やり続けることを見越したかのようだが(実際そうだろう)、対象は合法の移民だけだった。
そうしたら2007年に事情が変わり、不法移民でも大丈夫になった。範囲が広がった。2007年1月にその新しい法律ができたのだが、名前がとても興味深い。
「夢の法律2007」。
強制送還におびえる不法移民の気持ち、ワラにもすがりつきたい彼らの感情をうまく反映させている(さすがは世界のアメリカ政府)。
「この若者たち(=不法移民)は教育と市民権という、のどから手が出るほど欲しいものを差し出してくれるこの国のために、素晴らしい愛国心と忍耐力を発揮してくれるでしょう。移民対策強化法案とセットで提案するのがポイントです。生きるか死ぬかというぎりぎりのラインに追いつめられた人間が出す底力がどれほどこの国に貢献するかは、火を見るよりも明らかですよ」(注5)となる。アメリカの軍事評論家によると。
アメリカ国内には約75万人もの不法移民がいるとされる(注6)。まるで巨大なアメリカ兵供給センター。彼らが戦ってぐちゃぐちゃになったイラクの土地、がれきの山になったイラクの街はアメリカ企業様が復興させる。巨大な復興プロジェクト。ボロ儲け復興プロジェクト(今日も戦争メシがウマい)。
真の敵は誰なのか? アメリカ兵、アメリカ市民が本当に倒すべきなのは・・?
参考にした本『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果、岩波書店)
注1 同書、101ページ。
注2 同書、112ページ。
注3 同書、112ページ。
注4 同書、107ページ。
注5 同書、110ページ。
注6 同書、109ページ。75万人のうち、18歳から24歳の不法移民数はおよそ28万人とのこと(同書、110ページ)。