女優サンドリーヌ・ボネールの実妹サビーヌのドキュメントです。
サビーヌは、今、38歳。小さい頃から変わっていて、彼女が子供の頃は、自閉症の認識がほとんど無く、そういう症状を扱える施設もなくて、27歳まで家に閉籠り、結局、家族への暴力で病院に入りました。そんな彼女を25年に渡って、撮影したものですが、結構、衝撃的でした。
この病気の難しさが、とても解りやすく制作されていると思いました。普段は、普通の人と同じように暮らせるし、ちょっと変わってるくらいの違いしかわからないのに、何かの出来事でキレてしまって、凶暴になってしまったりする。病気なのか性格なのか、とても判断の難しい事だと思います。そんな彼女の病気に気づいてあげられなかった監督サンドリーヌの苦しみも、この映画から伝わってきます。
もちろん、サビーヌ達(そういう施設に入っている方達)も辛いのでしょうが、家族、特に母親の辛さは、心に刺さりました。自分のせいではないのに、母親は、ずっと罪悪感を抱いているというのは本当に辛い。女性なら、子供を産む幸せを噛みしめたいのに、産まれたら人と違ってるって、他人事ではないです。どんな風に産まれても、愛してあげたいけど、やっぱり不安とか色々ありますよね。なんか、辛い映画でした。
これは、色々な方に観てもらって、自閉症の理解が進んで、そういう施設が増えてくれたら良いなぁと思いました。そして、もっともっと治療の研究が進んで、苦しむ人が減ると良いという希望を抱きました。