骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2009-01-25 15:06


サビーヌの悲劇には胸が痛む。けれども、この映画を見た後の心は驚くほど軽い。『彼女の名はサビーヌ』クロスレビュー

「自閉症」への無理解が、一人の少女の人生を歪めてしまった。この映画は、そんな残酷さを直視している。
サビーヌの悲劇には胸が痛む。けれども、この映画を見た後の心は驚くほど軽い。『彼女の名はサビーヌ』クロスレビュー

「この作品の第一目的は自閉症者のケアの現状について、公の機関に訴えることです。少なくともその実態に目を向けてもらうこと。そして自閉症者を抱える家族の代表として声を発したのです」

サンドリーヌ・ボネール

第60回カンヌ国際映画祭─監督週間で絶賛され、観た人全ての胸が締め付けられたという一本のドキュメンタリーが話題にのぼった。自らの妹が自閉症でありながら、正確な診断を受けることなく、長期にわたる不適切なケアによって一人の人間が歩んだ悲劇を公にした心を揺さぶる作品『彼女の名はサビーヌ』。監督は女優のサンドリーヌ・ボネールである。

写真:サンドリーヌ・ボネール監督

「この映画のアイディアは、妹のサビーヌが入院して1年も経たない頃に思いついたのです。結局5年間病院で過ごしたのですが、彼女の状態が悪化していくことに気付き、これは異常だと思いました。妹のかつての美しい姿や才能を懐かしく思い起こしたのです」。この作品が撮られたフランスと日本とでは社会的背景が異なるが、監督は障害を持つ者に対するより正しい理解とケアの欠如は世界共通の問題であると訴える。

妹への愛に溢れるパーソナルなこの作品を私たちはどう受け止めたらよいのか。「皆さんに私の妹を1時間半たくします。彼女はとても繊細な人なので、どうか優しく見守ってあげてください」



『彼女の名はサビーヌ』
2009年2月14日(土)より渋谷アップリンク他、全国順次ロードショー

監督・脚本・撮影:サンドリーヌ・ボネール
出演:サビーヌ・ボネール
2007年/フランス/85分
配給・宣伝:アップリンク

2月5日(木)プレミア上映会開催!

公開に先立ち、サンドリーヌ・ボネール監督来日時の貴重なインタビュー映像と併せて、今回限りのプレミア上映会を開催。

日時:2009年2月5日(木) 18:30開場/19:00開映
会場:アップリンク・ファクトリー[地図を表示]
(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)
料金:予約1,300円/当日1,500円/学生1,300円/シニア1,000円
※予約はコチラから

公式サイト

サンドリーヌ・ボネール監督来日インタビュー(ダイジェスト)

レビュー(6)


  • ゆきがめさんのレビュー   2009-01-10 14:35

    自閉症の理解を…!「彼女の名はサビーヌ」

    女優サンドリーヌ・ボネールの実妹サビーヌのドキュメントです。 サビーヌは、今、38歳。小さい頃から変わっていて、彼女が子供の頃は、自閉症の認識がほとんど無く、そういう症状を扱える施設もなくて、27歳まで家に閉籠り、結局、家族への暴力で病院に入りまし...  続きを読む

  • tadeさんのレビュー   2009-01-11 13:39

    自閉症の妹をしっかりと見つめた名作

    サビーヌの悲劇には胸が痛む。けれども、この映画を見た後のこころは、驚くほど軽い。それは、サビーヌの涙が、悲しみではなく喜びであることを知ったからだ。  精神病院での不適切な治療から、多くの能力を奪われてしまった彼女。その軽やかな姿は失われてしま...  続きを読む

  • 眠り猫さんのレビュー   2009-01-13 00:20

    家族の視点から観ました

    「彼女の名はサビーヌ」は「仕立て屋の恋」の主演女優サンドリーヌ・ボネールが 自閉症の妹を25年の歳月をかけて撮ったドキュメンタリー映画で、彼女の初監督作品です。 観終わってまず思ったのは、「今日この映画を観て良かった・・」という事です。 ...  続きを読む

  • ぬまさんのレビュー   2009-01-15 23:58

    「自閉症」を知りたい人は必見

    かわいらしく踊るサビーヌ。 ちょっと変わったところもあるけれど、家族思いのサビーヌ。 元気にバイクを運転するサビーヌ。 そんなサビーヌが、「ここまで変わるのか」というほどの変貌をとげる。 涎をたらし、太り、会話もおぼつかない。 軽作業を...  続きを読む

  • gondwanaさんのレビュー   2009-01-20 14:09

    手を差し伸べてみよう

    「発達障害を伴った自閉症」 どちらも、メカニズムや改善策がままならない病名(?)である。 あの人権宣言の国ですら、福利厚生が手薄な部分があると聞き、 驚いたのと同時に悲しかった。 自分は健康に恵まれ、さまざまな恩恵を受けて生かされ幸せだ。...  続きを読む

  • ポッケさんのレビュー   2009-02-12 00:56

    過去と現在

    過去と現在の重なりが絶妙。きれいで、生き生きとした才能豊かなサビーヌ。それが、五年間の病院生活後はよだれを垂らし、ソファーでねている。体重も激増。コミュニーケーションがうまくとれず、暴力や、ヒステリックな声を上げる。 若い頃のサビーヌがきれいで...  続きを読む

コメント(0)