「この作品の第一目的は自閉症者のケアの現状について、公の機関に訴えることです。少なくともその実態に目を向けてもらうこと。そして自閉症者を抱える家族の代表として声を発したのです」
第60回カンヌ国際映画祭─監督週間で絶賛され、観た人全ての胸が締め付けられたという一本のドキュメンタリーが話題にのぼった。自らの妹が自閉症でありながら、正確な診断を受けることなく、長期にわたる不適切なケアによって一人の人間が歩んだ悲劇を公にした心を揺さぶる作品『彼女の名はサビーヌ』。監督は女優のサンドリーヌ・ボネールである。
写真:サンドリーヌ・ボネール監督
「この映画のアイディアは、妹のサビーヌが入院して1年も経たない頃に思いついたのです。結局5年間病院で過ごしたのですが、彼女の状態が悪化していくことに気付き、これは異常だと思いました。妹のかつての美しい姿や才能を懐かしく思い起こしたのです」。この作品が撮られたフランスと日本とでは社会的背景が異なるが、監督は障害を持つ者に対するより正しい理解とケアの欠如は世界共通の問題であると訴える。
妹への愛に溢れるパーソナルなこの作品を私たちはどう受け止めたらよいのか。「皆さんに私の妹を1時間半たくします。彼女はとても繊細な人なので、どうか優しく見守ってあげてください」
『彼女の名はサビーヌ』
2009年2月14日(土)より渋谷アップリンク他、全国順次ロードショー
監督・脚本・撮影:サンドリーヌ・ボネール
出演:サビーヌ・ボネール
2007年/フランス/85分
配給・宣伝:アップリンク
2月5日(木)プレミア上映会開催!
公開に先立ち、サンドリーヌ・ボネール監督来日時の貴重なインタビュー映像と併せて、今回限りのプレミア上映会を開催。
日時:2009年2月5日(木) 18:30開場/19:00開映
会場:アップリンク・ファクトリー[地図を表示]
(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)
料金:予約1,300円/当日1,500円/学生1,300円/シニア1,000円
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