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投稿者:mari


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終了第25回<東京の夏>音楽祭2009 <日本文化の古層> 宮古島の神歌と古謡

【追加公演決定!】 宮古島で古くから歌いつがれてきた神歌と古謡は、琉球のブルースだ! 久保田麻琴ナビゲートで送る日本文化の古層。

  • 日程
    2009年07月18日 ~ 2009年07月20日

  • 時間
    15:00

  • 会場
    草月ホール

 旅する音楽家、久保田麻琴は宮古島に辿り着いた。70年代に喜納昌吉を本土に紹介してから約30年、沖縄を通り過ぎて八重山でもなく、久保田麻琴の耳は宮古島に釘付けとなった。ロックでもなくポップスでもない。それは偶然出会った宮古島西原地区の80歳をゆうに超えたおばあたちの歌う神歌だった。「おばあたちの歌を聴いて、ここに本当の音楽があると思った」という。

 宮古島の神歌は日本文学史の中でも重要な位置を占めている。神歌の中では、水を求めて井戸を探したことや、神による村建てなどの英雄叙事詩のようなものもある。この昔から歌い継がれる神歌からアーグ(綾言)とよばれる古謡が生れたとされており、現在も宮古の人々の間で歌い継がれている。

 神歌は本来、御嶽(現地で信仰されている祭祀の聖域)で歌われる歌と日常の祭祀の中で歌われるものがある。本公演では、こうした神歌と古謡の両方をじっくりと楽しむことができる。

 宮古島の中でも特異な文化を保持し続け自他ともに自らを「池間民族」と呼ぶ池間島とそこからの移住者の居住する宮古本島西原地区、伊良部島佐良浜地区の神歌を中心に、小学4年生にして伊良部民謡を歌う天才少年譜久島雄太、久保田麻琴いわく「これはブルースだ」と言わしめた不世出の天才唄者の盛島宏。ゲストとして宮古と石垣の間に位置する多良間島からは、浜川春子が珍しい古謡や叙事詩を元にした労働歌を披露する。

 過酷な人頭税という歴史や厳しい自然を経て、日常の生活の中に生き続ける宮古島の神歌と古謡は貴重な伝統文化である。 

そして本州の東北地方とならび、日本古来の発音や語彙、言い回し等の保有率が非常に高い宮古の方言は固有の言語のようであり、国語学的にも非常に興味深い。世界的に無形文化財の消滅が語られており、宮古でも何世紀も続いた祭祀や神歌、古謡も徐々に途絶えようとしている。今回はこのような神歌や古謡が宮古以外の土地にもたらされる非常に稀な機会となるだろう。その歌声と響きは、世界のルーツ音楽の大きなミッシング・リンクとして取り扱われるべきであり、琉球のブルースとして今後ロックやポップスに多大な影響をもたらして行くことになるだろう。

http://www.arion-edo.org/tsf/2009/program/m04/?lang=ja

[宮古島西原地区の神歌]
池間島から宮古島に移り住んだ人々の居住する西原地区の女性祭祀集団ナナムイ(七柱)を終えた80~90歳代の歌い手による神歌を披露する。昨年CDデビューしたことから地元紙で”西原(ヌスハラ)キャンディーズ”と紹介される。
高良マツ:93歳。今でも毎日畑に出て農作業をしている。
長崎トヨ:91歳。元司。歌と踊りを担当する。
村山キヨ:87歳。張りのある声の持ち主。

[伊良部島佐良浜地区の神歌]
現在最も神行事がさかんに行われる伊良部島の佐良浜地区。池間添、前里添の二つの地区からそれぞれ3名ずつ選ばれた神役が年間40回以上の神行事を行う。今回は現役を卒業したばかりの元司達6名が池間系、佐良浜の伝統的な神歌、祝い唄を披露する。
濱川美代(元大司)57歳、長崎国枝(元カカラ)58歳、上原敏美(元カカラ)56歳、
与儀千代美(元カカラ)55歳、仲間八重子(元ナカンマ)52歳、ハーニーズ・佐良浜

[宮古島西原地区の古謡]
西原地区に伝わる古謡を、三味線と太鼓をいれて民謡形式で伝える3人のチーム。重要な祭祀、ミュークヅツの唄や宮古を代表する豊年祈願の舞踊曲、クイチャーなどを披露する。
盛島 宏(歌、三線):82歳。若い頃より唄と三味線に親しむ宮古民謡の達人。その歌声とリズム感は右に出るものがいない。普段はサトウキビ栽培など農業に従事する。西原地区の慶事では必ず呼ばれ演奏する。
本村キミ(囃子):82歳。盛島氏のはやしを長年努める。元神司でもある。
長田トシ(太鼓):79歳。盛島氏の隣人にして、長年のリズム・パートナー。
友利サダ(囃子、踊り):91歳。

[伊良部の民謡]
宮古島の隣、伊良部島は民謡、古謡の宝庫としても知られ、伊良部を唄った名曲も多い。今回地元では民謡の第一人者として知られる譜久島方上氏の孫、譜久島雄太を中心に宮古や伊良部の民謡や古謡を披露する。
譜久島方上(三線)[予定]: 伊良部民謡のマエストロにして、元町会議員。72歳。
譜久島弘一(太鼓): 48歳。方上氏の次男。空港に勤務するかたわら伊良部民謡を教え、後輩の指導にあたる。
譜久島雄太(歌、三線):10歳。天衣無縫な性格と元気いっぱいの唄いぶりで、宮古島では知らぬ人はいない人気者。小学4年生。

[多良間島の古謡]
南島を代表する伝統的な芸能行事、八月踊りで有名な多良間島。今回はほとんど知られていない古謡、ユネークというジャンルを中心に素晴らしい歌声を披露する。
浜川春子(歌) :キングレコードで発表された南海の音楽、八重山・ 宮古編でも2曲録音している、多良間を代表する唄い手。
垣花政一(三線): 49歳。多良間の八月踊りの地方(じかた)も努める民謡愛好家。多良間村文化協会の副会長でもある。

<監修・ナビゲーター>
久保田麻琴(音楽家・プロデューサー)
同志社在学中より音楽活動を始め、現在までに数々の海外公演やプロデュース作品がある。喜納昌吉の本土紹介が沖縄との最初の関わりだが、アジアのアーティストのプロデュースや日本への紹介でも重要な役割を果たした。
 2006年には初の著書「世界の音を訪ねる」(岩波新書)を発表する。
 
<解説>
佐渡山安公(陶芸家・宮古伝承文化研究センター所長)
民俗学者、谷川健一氏とともに、”宮古島の神と森を考える会”を立ち上げ、 年に一
回、講演、シンポジウム、研究集会を含む例会を開いている他、宮古島の自然と信仰
を守るためのさまざまな活動を行う。
伊良波盛男(詩人・池間郷土学研究所代表研究員)
郷土研究や池間方言の研究を続ける島出身の詩人。詩集、研究書など著作も多数ある。
現在池間島在住。

全席自由 一般:¥5,500
学生(アリオンチケットセンターのみ取扱):¥3,500
※アリオンチケットセンター:03-5301-0950
(土・日・祝日を除く午前10時~午後6持)

キーワード:

宮古島 / 沖縄 / 久保田麻琴 / 民俗


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