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終了見えないものを撮る――新津保建秀写真スクール修了展

目に見えない「気配」「音」「時間」「匂い」「言葉」を視覚のメディアである写真に写し撮るという難解なテーマに挑んだ25人の受講生たちの「卒展」。

  • 日程
    2012年03月27日 ~ 2012年04月01日

  • 時間
    11:00

  • 会場
    ヒルサイドフォーラム(東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟) 東急東横線代官山駅より徒歩3分

「見えないものを撮る――新津保建秀写真スクール修了展」
2012年3月27日(火) ~ 4月1日(日)
レビュー : 3月31日(土)  16:00-18:00
ヒルサイドフォーラム

異分野のクリエーターとのコラボレーションを始め、今もっともその活動が注目される写真家のひとり、新津保建秀さん。彼が、永井一史(アートディレクター、HAKUHODO DESIGN)、渋谷慶一郎(音楽家)、池上高志(複雑系科学の研究者)、皆川明(ファッションデザイナー、「minä perhonen」代表)、東浩紀(作家、批評家)という、それぞれの分野の第一線で活躍するゲストを講師に迎え、さまざまな世代、ジャンルの受講生と共に、“気配” “音” “時間” “匂い” “言葉” という「見えないもの」を写し撮ることに挑んだ写真スクールが2011年春よりスタートしました。その受講生たちによる修了展を、ヒルサイドフォーラムにおいて3月27日(火)から4月1日(日)まで開催します。

会期中には、スクールのゲスト講師、雑誌編集長等によるレビューや、トークセッションも開催、新しい才能の発掘の場になることを目指します。

開  催  概  要
■ 展覧会
日 時: 2012年3月27日(火) ~ 4月1日(日)   11:00-19:00   
会 場: ヒルサイドフォーラム (ヒルサイドテラスF棟・代官山駅徒歩3分)
入場料: 無料
出展者: 朝倉健吾、 石田絵美、 石原彩恵、 稲垣謙一、 海老原祥子、 遠藤正樹、大塚歩、 加藤賢、 河野一郎、 小林智子、 佐々木康太、 白倉利恵、 鈴木孝史、高橋郁子、 高橋宗正、 平野紗季子、 前田エマ、町田亜紀子、 丸山博貴、矢作裕介、 山﨑聡、 山本雅美、 横山秀行、 李受慧、 渡部勇介
主 催: クラブヒルサイド、 新津保建秀写真スクール修了展実行委員会
デザイン: Semitransparent Design
展示ディレクション: assistant (松原慈、有山宙)
協力: 代官山スタジオ、KiKi inc.

関 連 イ ベ ン ト
■トークセッション 1 「写真と記憶」
出演者:渋谷慶一郎(音楽家)×朝吹真理子(作家)
聞き手:新津保建秀(写真家)
日時:2012年3月28日(水)19:00-20:30
会場:ヒルサイドカフェ(ヒルサイドテラスF棟)
会費:1000円(ドリンク代込)
予約受付:03-5489-3705 ヒルサイドインフォメーション

■トークセッション 2 「写真と都市」
出演者:有山宙(assistant)×松原慈(assistant)×荒神明香(アーティスト)
聞き手:新津保建秀(写真家)
日時:2012年3月30日(金)19:00-20:30
会場:ヒルサイドカフェ(ヒルサイドテラスF棟)
会費:1000円(ドリンク代込)
予約受付:03-5489-3705 ヒルサイドインフォメーション

■レビュー
日時:2012年3月31日(土)16:00-18:00
会場:ヒルサイドフォーラム
入場料:無料
講評者:池上高志(複雑系科学の研究者/スクールゲスト講師)
永井一史(アートディレクター、HAKUHODO DESIGN/スクールゲスト講師)
北川一成(グラフィックデザイナー/GRAPH代表)
伊藤直樹(クリエイティブディレクター/PARTY代表)
杉江宣洋(BRUTUS副編集長)
鈴木哲也(ハニカム編集長)
猪野辰(SWITCH編集者)

■Website
http://shintsubo.clubhillside.jp/

■Twitterアカウント
https://twitter.com/#!/mie_nai_mono

お問合わせ先
クラブヒルサイド事務局  東京都渋谷区猿楽町18-8ヒルサイドテラスF棟 ヒルサイドライブラリー内 
TEL : 03-5489-1267  FAX: 03-5489-1269  mail : info@clubhillside.jp


■新津保建秀写真スクールとは?
新津保建秀写真スクールは、ヒルサイドテラスをベースに、地域・世代・ジャンルを越えた人々をゆるやかにつなぐプラットフォームとして設立されたクラブヒルサイドのプログラムのひとつとして2011年5月に開講しました。クラブヒルサイドならではの「理想の学びの場」を実現したいとの願いのもと、新津保建秀さんの全面的な参画を得て実現しました。

参加者募集の呼びかけで、新津保さんは次のようなメッセージを寄せています。
<写真を撮るということは、具体的なものを撮っていても、実際は非常に抽象性の高い作業です。それは、私たちの周囲にあるけど気づかない、あるいは見えないものに対してなんらかのフレームを設定することによって、個人や社会が無意識に見ているものを立ち上げる、あるいは敢えて消去していく作業であるといえます。その過程ではカメラではとることのできない“見えない”対象を考えてゆくことがとても有効になってきます。
僕自身は写真を26歳のときに独学で始めたのですが、一人で模索していた頃「こういう場があったらいいな」と考えていた場と、そこから生まれる可能性の実現をこのスクールでは目指していきたいと考えています。>

■異なる世代、ジャンルの受講生たち
この呼びかけに応え、定員(25名)の倍の申し込みがあり、その中から選ばれた10代から70代までの異なる世代、バックグラウンドをもった受講生が参加することとなりました。プロとして活動する専門家、写真の専門学校や美術・一般の大学で学ぶ学生、新聞記者やWEB・広告クリエーター、デザイナー、音楽プロデューサー、企業経営者、システムエンジニア、会社員から主婦まで。毎回、ゲスト講師から出される課題制作に各自取り組みながら、それらをもとにプレゼンテーション、ディスカッションを行い、夏には、越後妻有で合宿形式のワークショップを行いました。
まさに、互いに切磋琢磨し、刺激し合う“白熱教室”が展開されたのです。

■写真外の専門家の参画による写真スクール
この写真スクールは、単なる写真のテクニックやスキルの向上を目指すものではありません。さまざまな演習課題と参加者相互の対話を通し、いかに“見て”ゆくかを探る場、“思考”を鍛える場をつくることでした。毎回講評者としてお招きしたゲストは、写真では撮ることが難しい対象をご自身の活動で扱っている各界の第一人者であり、そのお話を各自の作業にフィードバックしてゆくことで、自分の興味関心を明確にしてゆくことを目指しました。

■1年の成果が修了展に結実――スター誕生なるか!?
ヒルサイドテラスをベースとしたこの写真スクールの最大の特典は、ヒルサイドフォーラムでの修了作品の展示です。修了展にあたっては、各自がそれぞれのテーマをもって展示制作を進める一方、受講生有志による実行委員会を結成し、広報、展示、運営等の準備を主体的に進めています。
印刷物やWEBのデザインには、semitransparent design、展示ディレクションには松原慈 , 有山宙によるassistantが参加協力します。

<各回のテーマとゲスト講師>

◇第1回 After311の“気配”を撮る
ゲスト:永井一史(アートディレクター、HAKUHODO DESIGN)
雑誌「広告」の編集長もつとめ、広告業界の最前線で活躍する永井さんからの課題は、自分は震災で“何を感じ”“何を考えた”のか、“これから変わっていくものは何か”を写真に撮ると同時に背後にある考え方も提示することを求めるものでした。コンセプトや感覚を抽象化し、「表現」のレベルにまで高める必要性が指摘されました。

◇第2回 一生手放したくない“音”を撮る
ゲスト:渋谷慶一郎(音楽家)
荒川修作や杉本博司の話題のドキュメンタリー映画のサウンドトラックをはじめ、電子音楽からより多様なジャンルへと活躍の場を広げる渋谷さんからの課題は、写真と共に音源も提出するという難度の高いものでした。当日はアーティストの荒神明香さんも特別ゲストとして登場しました。

◇第3回 “時間”を撮る
ゲスト:池上高志(複雑系科学の研究者)
アーティストとしても活躍する池上さんの授業は、越後妻有・大地の芸術祭の里で1泊2日の合宿形式で行われました。時間と空間のもつれ具合を、あらかじめ東京で撮った写真と妻有で撮った写真2枚の3枚の組み写真で表現するというものでした。ワークショップの合間には、花火やスイカ割など、大いに盛り上がりました。

◇第4回 いのちの匂いを撮る
ゲスト:皆川明(ファッションデザイナー、「minä perhonen」代表)
東京スカイツリーのユニフォームもデザインするなど幅広いデザイン活動を展開するデザイナーの皆川明さんです。五感のなかで最も生理的な感覚につながる「匂い」をテーマに皆川さんが出された課題は、「生命の匂い」。皆川さんによる詩を受けて、1枚の写真を提出するというものでした。

◇第5回 言葉を撮る――ベクレルを撮る
ゲスト:東浩紀(作家、批評家)
写真スクールは、初回が3.11の直後に行われたこと、そしてそのあとの課題設定にも震災が大きな影響を受けたものとなりました。3.11後も活発な言論活動を展開する東さんからは、ずばり「ベクレルを撮る」が課題として出されました。震災のあと、さまざまな言葉の機能が変わるなか、震災後の変化を捉えるような写真を撮ってくることが課せられました。

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