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投稿者:船津亮平


11月

02

終了アドリアーナ・カルカニョット 日本公演 2011 「サンバの微生物」

ブラジルを代表するシンガー・ソングライターのアドリアーナ・カルカニョットの来日公演が11月に開催される。ニューアルバム『サンバの微生物』をひっさげての来日!

  • 日程
    2011年11月02日

  • 時間
    18:30

  • 会場
    よみうりホール 千代田区有楽町1-11-1読売会館7F


“サンバの微生物”というのは、1940~1950年にかけて数多くの名曲・ヒット曲を世に送り出したブラジルを代表する大作曲家であるルピシーニオ・ホドリゲスが発した有名な言葉だ。彼は教室で太鼓を叩き誰にも分からないような歌を歌いまくっているという理由で、コレジオ・サン・セバスチャンを在籍1週間で放校になったというエピソードを持っている。このことをルピシーニオ本人は「幼かった頃から血管の中でサンバの微生物を養ってきた」という。この“サンバの微生物”は、宿主とともに成長し宿主を解放してくれないらしく、老いれば老いるほどますますしがみついてくるとも語っている。サンバの血が流れていることを、このように例えたわけだ。

カルカニョット流“サンバの微生物”が宿された本作『サンバの微生物』は、ミニマルな美意識が全体に貫かれ、装飾を排し、最小限の編成と音数で隙間と行間、そして響きを生かした空間構成が味わい深い作品となった。アドリアーナ・カルカニョットの音楽は、内省的ではあっても決して禁欲的ではなく、信頼する仲間のミュージシャンやスタッフと、心ゆくまで楽しみながら作り上げた音楽であることが聴きとれる名盤だ。

ただ、『サンバの微生物』ツアーは一度も行われない可能性があったという。彼女は手を怪我しており、自分の楽曲を自分で演奏できない状況下にあったという。アドリアーナ・カルカニョットはポルトガルで、3回だけ歌のみのパフォーマンスでコンサートをやる約束をし、それ以上はやるつもりはなかったのだ。しかしながら、その3回のパフォーマンスで、見事に彼女の中の“サンバの微生物”が動きだしたわけで、コンサートはやはりすごく楽しかったと語っている。こうして今回の来日公演も実現と相成ったわけだ。

「日本に戻ることがとてもとても嬉しいと言わせて下さい。今回は少し時間がかかってしまいましたが。みなさんに見にきて欲しいと思います。というのも、日本人は『サンバの微生物』が示そうとしていることを、とても深く理解してくれるのではと思うので」──アドリアーナ・カルカニョット

アドリアーナ・カルカニョットを動かす“サンバの微生物”を、是非会場でご堪能あれ。

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