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日程2008年10月24日
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時間19:30
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会場UPLINK FACTORY
プロカメラマンからも『どうやって撮ったの?』と質問される不思議な写真を、ライブシューティング。頭に花を生ける「ヘッドドレス」を独自のスタイルでおこなう花結い師・TAKAYAと、人が動いてはじめて美しい服となることをコンセプトにデザインする服飾作家 ・田川朋子、そして新世代のビジュアルショックを標榜する写真家・米原敬太郎のライブ・コラボレーション。
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http://www.uplink.co.jp/factory/log/002792.php
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10月24日(金曜日)
開場7時半 開演8時
出演 花結い師 TAKAYA http://takaya.boo.jp/
服飾作家 田川朋子 http://www.tomocotagawa.com/
写真家 米原敬太郎 http://www.yoneharakeitaro.com/
料金 2000円
会場 UPLINK FACTORY (渋谷)
東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F
tel.03-6825-5502
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TAKAYA
ご無沙汰してます。 すいませ〜〜ん ちょいと バタバタとしておりまして。 ほんとお久しぶりですね。突然なのですが、かなり話しをとばしてしまうのですが。。 田川さんと なにかしよう〜と話をしていまして。 今 お互いに ライブで見せること 写真としてのこるもの たとえば 数名のモデルさんに田川さんの服を着せて ファッションショー +僕の花パフォーマンス。これだけなら普通なのですが ここへ 撮影風景も見せてしまう。で これは写真を現像するなど時間的にどうかと思うのですが その作品の展示もあらためてするような感じは どうなのかなと話をしていて まだ 妄想の段階なので どうなっていくかはこれからなのですが どうでしょう〜〜
田川
オモテでは みなさんそれぞれ 見せるってことはできてると思うのですが 、ウラを見せる=出来上がるまでをお客さんに観ていただくって、そんな機会はあまりないですよね。今回のイベントって、私が服を着せ付けて TAKAYAさんが花を結い 米原さんが写真を撮るという、作品撮影の現場を ライブで観て貰おう! ということで、ある意味、ネタばらし大会ですね。
米原
ひさしぶりに3人で集まったら、いきなりおもしろそうなお話じゃないですか。いいですよ。実は、僕も、いろんな人からいわれたたんですよ。「どうやって撮るんですか?」って。プロのカメラマンからもいわれましたよ。人と違うこと、本に書いてないことをしてますからね。それで、撮影見学の希望者が多くって、でも現実には、うちの狭いスタジオにおおぜい来ていただくのも難しいですから〜 一度、撮影現場を公開するイベントをしてみたいなって思ってました。
田川
ネタばれ 大丈夫ですか?
米原
マネできるものなら、マネしてみろって思う。
TAKAYA
自分の感性を信じてますから
田川
いつします?
TAKAYA
10月の後半ってどうでしょう? ちょうど、キク科の植物のシーズンなんです。ダリアだとか、大輪の菊だとか、色も形も大きさも迫力がある花がたくさん咲くんです。 それに、ものによっては微かに紅葉がはじまったりもしますから、表現の幅がひろがるかな、と。
田川
頭に花を結おうって思ったきっかけってなんですか?
TAKAYA
僕も、写真を撮るのが好きで ファインダーをのぞいた時の構図 バランスが好きで、あの四角に閉じ込めたり はぶいたり はみ出したり 笑 頭に花が咲いた被写体がほしかったんです。 そこから もう アイデアが湧きだして、、笑
だから僕の作品は、僕しか見えない四角の中にいつもあるんです。
やってる最中っていうのは、そうですね、料理人だったんで 盛りつけですよ 笑
米原
TAKAYAさんの作品って、花が役者で、TAKAYAさんが映画監督のような、つまり花を花でなくして、TAKAYAさんの世界を形作る一つの要素として、結果、まったく新しい造形に昇華できてて、これは真似できない。
田川
花で人を飾るのではなく、なんていったらいいのだろう。人という植物に、花が咲り、葉っぱが生えたり。。 そんな風にいつも思ってます。
TAKAYA
なんか うまくまとめていただいて。笑 そうですね。最終的には、表現が、花でないかもしれませんね。
米原
田川さんの服は、服を着せることで、その人を裸にしてるような気がするのです。体の外側にもう一枚、細胞をまとったような。皮膚を覆う布じゃなくて、皮が剥けて 触感がむしろむき出しになってるかのような。
TAKAYA
実際、いつも見させてもらって驚くのは、縫われた部分とか、カットされた部分だとか、ボタンなどなど、すごく少ないんですよね。必要最小限の手作業で、どれだけ印象深いものを作るかに挑戦してるような。もともとが一枚の布だったなんて信じられない。あの空気感を大切にしたい。
田川
服を創り出すことは産み落とす感じに近いように思うのです。子供産んだことないですけど。。実は、もともとは絵描きになりたかったのに、なのに、立体に反応してしまうんですよ。彫刻家では、ロダンが好きで、躍動感 流れ 肉体の美しさ 立体での表現に魅かれてしまいます。
米原
いわゆる「こうでなければならない」という既成観念がない。世間の価値基準の逆をすればすれほど賞賛されるタイプなんでしょうね。
田川
米原さんの写真って、絵画のような不思議な写真ですけど、ルーツってどこなんでしょう?
米原
先日、実家の大掃除をしたら、生まれて初めて描いた絵がでてきました。2歳か3歳くらいに描いたやつ。。画用紙いっぱいに大きな象さんを描いてて、それがカラフルな渦巻き模様なんです。ああ、このアヴァンギャルドなのが僕の原点だったんだなって思いましたよ。僕は、結局、強烈なビジュアルショックを生み出したいんです。
田川
米原さんの写真ってあれ、なんですか? デジタルじゃないんですよね?
米原
はい。みなさんなかなか信じていただけませんけど、アナログ一発撮りですよ。おふたりとも、撮影風景ご存知ですし、ポジもご覧になってるじゃないですか。
田川
逆に、なぜフォトショップ使わないんですか?
米原
証拠写真っていう言葉があるくらいで、写真って証拠能力があるわけですよ。だけど、デジタル写真には証拠能力がない。証拠能力とは違うけれども、アナログ一発撮影ならではの現実力がある。僕も職業カメラマンですから、下絵のまんま撮ることも技術的に可能なのですが、下絵の通りにするのなら、絵画でしますよ。 正直、僕自身、写真家と呼ばれなくてもいい、写真というカテゴリーである必要もないとも思ってます。 だから絵画でもデジタルでもなんでもいい。だけどやっぱり、写真ならではの現実感が欲しい。だから、あえてアナログの一発撮影にこだわってるんです。
TAKAYA
撮影の時、米原さん、いつも変なことしてる割に、写真撮るのむちゃくちゃ早いですよね。
米原
撮影前の仕込みは、結構、たいへんですよ。撮影それ自体は、ライブ感を大切にしたいから、なるべく、その瞬間に凝縮するようにしてます。例えるなら、居合いの達人が、一撃必殺するような感覚なのではないかなって思ってます。
TAKAYA
それは僕も、同じ感覚です。花の命も短いもので 一瞬を大事にしたいから 迷ってられません 笑 もちろん その分、本番前は、次どんなことをしようかなって、アイデアを、ものすごく練ってますよ。というか、今、どんどん沸き上がってて、早く作りたくてうずうすしてます。
準備という意味では、おふたりの方がたいへんなんじゃないですか?
田川
私の場合、当日までに作り終わっていなければなりませんしね。だけど、具体的に服のことを考える前に、自分の中にいろんなものを入れる作業が大切ですよ。映画 美術館 公演に行くのはもちろんのこと、知り合いの個展に顔を出したり、薦められた漫画や本などを読んだりと着々と蓄えていますね。わたしは言葉が大好きで、というか日本語の言い回しが好きで、本屋に行くとついつい辞書コーナーに行ってしまう。言葉から連想することも多く 簡単な物語を書いてから服のデザインに取り掛かるし 辞書を片手に妄想するちょっとした変態です。
その後、寝ているけど 寝ていないような、ようするに、ひきこもるんです。生みの苦しみが待っているかと思うと息苦しくもありますが、楽しみでもあります。
脳みそはフル回転してますよ。妄想の始まりですよ。自分との戦いですよ。私がしてることって、幻想と妄想の折り重なる物創り。迷路のようなデザインのパズル。間に合うのか? 間に合わせますよ!って自問自答しながら、布との対話を楽しんでます。
米原
僕は、なんていうか、心の中をダイビングしますね。ずっと ずっと 奥深いところまで潜っていって、いわゆる無意識の世界なんでしょうけれども、神話の世界観の中を彷徨い歩いて、そこで見た景色を表に吐き出すような感覚です。もっというと、写真ってなにかっていうと、写真家がカメラを担いで、どこか遠い国の秘境に行って、そこで珍しい物を撮ってくるっていうのが原点というか、わかりやすいスタイルだと思うのですが、それは僕もまったく同じです。ただ、僕の場合は、秘境が心の中にあるというだけで。
TAKAYA
今回、具体的にどうします? どういう切り口でいきましょう。まずは、全体のテーマと、宣伝用の写真の撮影。
田川
なにかの物語設定があるといいのかなあ。
米原
そうですね、ちょうど今、タロットカードをテーマにしていたシリーズが、ようやく終わりかけていて、それを作ることで、僕自身、ようやく、完全オリジナルな域に達することができたと思ってるんですが、その次には、背景にある主題それ自体も、オリジナルでしたいと思ってるんです。被写体は何かっていうと、心の中の神話的風景だと、先ほども申しましたけど、オリジナルな神話を物語っていきたいですね。
神話が生まれる風景って、どういうものだと思いますか? 僕は、昔、聖地と呼ばれる場所を貧乏旅行したことがありまして、その時、高千穂に、天安河原というところに行きました。天安河原っていうのは、天照大神が天岩戸に隠れて、世の中が真っ暗になってどうしようってことを八百万の神々が集まって相談した場所ってやつです。日蝕にまつわる神話ですよ。そこが神話が意味することはわかりませんが、少なくとも、ここで神話が生まれたっていうのは理解できたんです。実際には河原に石を積み上げてただけの場所なんですけどね。
TAKAYA
それでも、きっと、不思議な空気に包まれてはいたんでしょうね。
米原
与謝野蕪村の俳句に、「菜の花や月は東に日は西に」というのがあって、僕、この俳句好きなんです。これって、満月の時の、日の出+月の入り か 日の入り+月の出 のことだと思うのですけど、目を閉じると、俳句を聞いただけで、風景が見えてくるでしょ。
田川
「太陽と月と大地が重なる時」というのは、今回の、〜三人が集まることで起こる何か〜 みたいな感じがでていると思います
日蝕なのか月蝕なのか、昼と夜との交差点なのか どれなんでしょうね???
米原
そのどれもであり、神話の扉が開かれる瞬間という解釈はいかがですか
田川
実は、この10月は、田川朋子の服を見る月間だったりして、大阪でもファッションショーをします。テーマは闇闇です。その闇に光がさす、なにかが始まる予感がするようなイメージにもっていってみようかな。
TAKAYA
花の中には、月下美人 のように、一年のうち真夏の夜にしか咲かない花 もあります。僕が結う花もまた、その一瞬で咲き、その一瞬にすべてをかけるところがありますね。それと闇に光が射すのなら、朝日とともに開花していくような、、、アイデアが湧いてきましたよ。
米原
宣伝用の写真ですが、「太陽にも月にも分化する前の天空に浮かぶ混沌とした塊」ってどうでしょうか? 混沌を象徴するような不思議な衣装、不思議な花結いがいいですね。
田川
グレーで探してみますが、 ゴールドだとダメですかね? 太陽の巻きスカートがあるので 月の上着を創ってもいいなぁと、、
米原
金やったら、アウトドア用の素材ってどうでしょうか?
田川
ん〜、素材としてはありだと思いますが、おもしろいスカートがあるので、それの上物を創ってみたいと思ってます。白生地に金箔貼ったみたいな生地です。
TAKAYA
地球の海と陸の割合 も 人間の体の水分と固形分 も 7:3 なんですよ。人に服、頭に花 でも 7:3 を見せる事ができる写真、構図など 空間7 人3みたいな言い方もできるような感じですかね。
田川
小宇宙みたいな考え方ですね。
米原
いや、どうせ、想像の産物なんですから、結果オーライでいいんですよ。でも、人を地球に例えるのはいいですね。例えば、花が陸で、服が海で、人が神。そんな球体が混沌の中を浮かんでるというのはどうでしょう。
TAKAYA
この3人って、やってることも、趣味趣向もバラバラだけど、ものすごく近く感じる。。振り向いたら、近っっ!みたいな まるで背中合わせの感じ
米原
芸術とはコンセプトだとかなんだとかっていう人は多いけれども、本当はもっと単純なことで、美しいというものを、新しい切り口で見せて あっ! といってしまう、そんな感動が大切なんでしょうね。ほんまもんは、必ず伝わる。
田川
作家活動をすることは、 独りよがりになりがちだけど、 こだわるところに曇りがなければ 決して自己満足で終わらないと思う。三人のこだわりを見て頂きたい!
TAKAYA
そうですね〜 おもしろいとか、奇麗とか、変であるとか、そういうなにかを感じることなんですよ。
米原
おふたりとも、すごいエゴイストでしょう。
TAKAYA
いやいや、米原さんにだけはいわれたくない。一番、わがままなのは誰だと思ってるんですか。
田川
負けるな あたしの子供達!
一同
皆様のお越しを心からお待ちしております