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日程2014年05月17日
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時間14:00
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会場新場橋区民館
先日、80歳で亡くなられた作家の渡辺淳一先生。長年、直木賞の選考委員をつとめるほど、文壇の重鎮でありながら、もっぱら男女の恋愛、性愛、エロチシズムの追求を終生のテーマにし、『失楽園』はじめ、数々のベストセラーを飛ばしまくってきた。
もともと医療現場の不正を小説仕立てに書き込んできた渡辺氏は、徐々に整形外科医独特の冷徹かつ「牡的」な思考の強さもあってか、みごとに女性の肉体や心理を「解剖していく」小説、明らかにエロ小説と誤読される作品を含め、量産していく。
その作家としての技量、巧みな筆致さが評価される一方で、物語構成の緩さ、甘さも、新刊を出すたびにかならず指摘される。
文学賞の審査員をしている中で、渡辺氏は、若手作家のどんなジャンルの作品にも、人間描写が足りないことを、すぐに「官能体験および情報の欠如」の方向に持っていくのは有名な話。
作家にとって官能描写は、誰しも一度は書いてみたい!! もの。
人気直木賞作家の石田衣良が、数年前にヒットを飛ばした小説の売りは、『初めて本格的にエロ小説に挑戦した!!』でした。
はたして、どう書くと文学で、どう書くと(いわゆる専門ジャンルとしての)官能小説になるか? じつは非常にムズカシイ問題でもあります。
純文学作家出身の川上宗薫の、30年近く前に書かれた「エロ小説」の濡れ場の描写は、もはや現在では、純文学作家ですら書かないほど「インパクトが弱い」という事実。
エロ小説はただ濡れ場の連続で良いかというと、それは大きな勘違い。
ちゃんと物語があり、人間が描けていて、はじめて男女はわぐわえる……のですが。
この「人間を描く」という言い方は、どのジャンルの作家にとっても厄介なテーマ。
男女が(レズでも構わないが)出会い、いろいろあってまぐわう。そこにはあらゆる心理的、肉体的な手練手管が不可欠で、必然的にそこに人間の性癖、業、生き様が姿を現す。
したがって、ある意味、もっとも「人間を描く」ことに精通していなければ、書けないジャンルが官能小説だともいえる。
だから多くの作家が、一度は書きたがる。
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この心理と、「日常的に官能小説を量産する」官能作家の心理との違い?
花園乱として、20数冊の単行本の著作(共著を含む)を持ちつつ、現在は文学的なタッチの私小説を執筆している、作家の勝沼紳一が、そのあたりの疑問に答えつつ、あわせて職業としての『エロ作家』の日常および喜怒哀楽なども、リアルに告白しながら、講座を進めていきます。
<講座時間>
2時間
<受講料>
3,500円(税込)
開催日程
5月17日(土)14:00〜16:00
入門コース:官能小説家が教える官能小説の書き方
「谷崎潤一郎はエロ作家か? 文学における官能」
東京都中央区新場橋区民館
講師プロフィール
勝沼紳一
http://seikaku.weebly.com/3561124107125031252512501124511254012523.html
お申込みはこちらから
http://seikaku.weebly.com/208373827212467125401247312362300033679612415.html