谷岡雅樹氏のmixi日記を谷岡氏の許可をいただき引用します。
(谷岡氏、ありがとうございます)
「...これらの日記のような裏読みをどう考えてもされることをわかっていての挑戦的な発表でもある。 (3)嫉妬や羨望を超えたところでの自分語り(こう言う見方をできるオレ様は偉い)」など、頷けるところがいくつもあった。
<水嶋ヒロ(2010年11月02日04時26分)>
彼の受賞に、いろいろな人の日記を読むと、いくつかの傾向が読み取れる。
大きく分けて書くと、
一、ため息。
二、嫉妬。
三、自爆
<賛辞の声>
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なんてカッコイイんだ・・・いいなぁ
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なんで辞退したんだろうか?水嶋さんがいい人だから?才能ある人はすごい思うわ。でも、今回の賞金もらってどっかに寄付したらもっとすごいと思う惚れるね
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コノ男 若いのに凄くしっかりしてるなぁ 本物の愛を持っている人だと思う イケメンにも素晴らしい人 いるのね
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普段まったく本読まないけど本になったら読んでみたいと思った。神様へ生まれ変わるなら水嶋ヒロでいいよ
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つまり
(1)天は二物(たいていの場合、身体能力と知的能力=才能、あるいは見た目と性格=人格=それらの複合)を与
えないものだが、
「持っている人もいる」ということへの羨望も含めた素直なため息。
水嶋ヒロはカッコよく、頭もよく、物語(妻など)にも恵まれ、社会的な成功者ともなり、偉ぶらない。天晴れだ、
という意見。
これがたぶん45%ぐらいか。
<疑問・疑惑・批判型>
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正直昨今のタレント本の流行は真剣に作家を志して努力してる人間としては不愉快極まりない。「今まで小説なんてほとんど読んだこと無いけどいきなりで小説書けちゃいました」とかのたまったどこかのお笑い芸人に出来るものならやってみろよと言いたい。
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賞金を辞退したのに、受賞を辞退しないとことが偽善である。
もっと言わせていただけば、この2,000万円を辞退したことで齋藤智裕氏が手にするカネは1億円をくだらないだろう。
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マスゴミによる情報操作としか思えない。2千万円という大金で人の注目を集めコイツの本を売り出す為の宣伝とし
か思えない。
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当人と出版社とマスコミへの、経済癒着構造(という思い込み)に対する批判である。
軽く言うと、
(2)なんでも「お金のために人間が動く(批判者自身の投影による)三文芝居」という、一番見苦しく下世話な部類の嫉妬(および誹謗中傷)。
(これまでの青山真治の三島賞などについてこそ、もっと言うべきかも)
それを開き直って逆に褒める類の擁護もまた、
同根である。あわせて30%ぐらい。
<裏目読み型>
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せめて読んでから叩けばいいのに。焦らなくてもどうせ面白くても叩かれるんだから。
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だいたい新人発掘の応募原稿には1枚目に、 タイトルペンネーム本名経歴あらすじを書いたものをつけることになってるはず。
(中略)
審査員が知らんかったとなると、大学出てから無職だったという事にしてたんでしょうか。
2000万円って結局ポプラ社の中を右から左へも行ってないんだろうね。
いやはや。
特別賞の人、頭来てんだろうな。
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話題作りがどうたらこうたら~って日記に書いて批判している方々は、自分がその話題作りにまんまと引っかかってることに気付いているのだろうか。
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全てを上手く行かせるべく、メディアや色んな期間が流れを作ってということだな!金金金!水嶋ヒロだかヒロ斎藤だかしらんがね!その裏で薄ら笑いする大人たち。
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1、今まで二千万円(大賞)は出ていない
2、二千万円を辞退する理由がない
ここまで真実
二千万円出したくない出版社と話題性が欲しい下り坂の芸能人。
新鮮でもないストーリーを誉めるのに精一杯な評論家をみて、誰もが容易に思いつく裏取引。
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人気俳優って、睡眠時間削って仕事してんだろ。休みなんてほとんどなかったはずだろ。 長編小説も、命を削る思いして書かなきゃ書けねーぞ。
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都内某所
ポプラ「今回の大賞を授与するにあたって、ご相談がございまして」
水嶋「はい、なんでしょう?」
ポプラ「まず、賞金ですが。できれば全額返金としていただきたく」
水嶋「えっ」
ポプラ「水嶋さん、うちもねえ、大変なんですよ。おたくも
独立して早々話題になれば食い扶持できるでしょう?」
水嶋「それはまあ…」
ポプラ「うちみたいなバックボーンがないと、この業界生きていけませんよ」
水嶋「…わかりました」
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逆に言えば、これらの日記のような裏読みをどう考えてもされることをわかっていての、挑戦的な発表でもある。
(3)嫉妬や羨望を超えたところでの自分語り。
(こう言う見方をできるオレ様は偉い)
これが20%ぐらい。
(4)無関心5%。
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と書いてきて、私の感想を書かねばなるまい。
水嶋ヒロが受賞した(り、お金や賞賛、成功に恵まれる)のは、
水嶋ヒロではない人間にも本来ある才能やチャンスが、「埋もれたまま」になっていたからではない。
世間や社会が抑圧的に不当に汚く動いていることによって、
(きれいな)自分が認められないのなら、たいしたものだし、
気楽な思想でもある。
動かしているのは闇の黒幕でも陰謀でもマスコミでもなく、
自分自身が乗り憑いている化け物だ。
「真の自分」こそが受賞対象なのではなく、
「真の自分」こそが、薄汚く不当に抑圧的にはたらく対象そのもの
である。
その嫉妬を止めれば、こういう事態がどうなのかという議論も起きない。
では、醜い自分、貧乏な自分、才能もなく頭も悪い自分、
果たしてこれで幸せになるというのか。
せめて希望(真の自分が埋もれている)でも持たないことには、
やりきれないではないか。
その希望が、形を変えて妙なやぶにらみとなるとしても、
わかっちゃいるけど、やめられない。
「神は死んだ」と宣言した時から、人間はその可能性(希望=つまりは嫉妬)を口にし始めた。
神様がいた時代は、(生まれながらの恵まれなさを)受け入れていたわけで、それが幸せだったかどうかは、今とな
っては、否定されている(そういう見方にしかならない)。
しかしその希望は絶望を招くだけである。
本来は裕福で才能を発揮し美しい。
・・・と、本当に思えるはずがない。
しかし、
貧乏なほうが不幸せ、才能がない方が不幸せ、ブス・ブ男のほうが不幸せ・・・
とは、いかなるものか。
美人は、チャンスも多いが危険も多い。
連れ去り事件の被害者はかわいい子が多いのは説明するまでもない。
強姦事件、誘惑、守るべきものは多い。
裕福な者は、贅沢が身についてしまって、よほどのプレゼントや食事、宇宙旅行、なんでもいいが、感激がない。
才能があると、駆けのぼるだけの目標値の幅が小さくしか設定できない。
達成感がない。
いくらでも書けるけど。
私は、水嶋ヒロについて、
本当にうらやましさを欠片も感じてはいない。
(とここに書くまでもないのだが)
♪君を狂ったように祝福する
靴ひもを結ぶように悲しげに
(「ひ弱な集団」byディビッド・ボウイー)
http://www.youtube.com/watch?v=bvzytGH4Aq8
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