2010-03-17

つらい記憶置き換え 研究進む このエントリーを含むはてなブックマーク 

生きていくうえに必要なことで、とても大事な研究だろう。
自発的にこのことができる人は強い。

そして、正面から向き合わずに自分に言い訳したり、外部に責任転嫁する者はいつまでも変わらない。

<つらい記憶置き換え 研究進む>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100317-00000301-wsj-bus_all

 記憶を永遠に書き換えることは可能だろうか。それが可能だと考える科学者たちによって現在、記憶を置き換えるための新たな手法が研究されている。その手法が実用化されれば、恐怖感や外傷後ストレス障害(PTSD)、その他の不安症状を治療することができるかもしれない。

 帰還兵や自動車事故の生存者、レイプ被害者などを対象に、一般的な血圧降下剤を使用して、悪い記憶を良い記憶に置き換える研究や、例えば幼少期に犬にかまれた記憶など、不安増殖因子となって人に恐怖感を抱かせるような記憶を、行動セラピーによって修正する研究などが現在行われている。

 いずれの研究も、その目的は記憶を完全に消し去ることではない。記憶の消去は倫理的な問題や疑問が残る。代わりに、「記憶に伴う恐怖感を軽減または除去することができれば理想的だ」と、この分野で幅広い研究を行う米ハーバード大学医学部精神科教授、ロジャー・ピットマン博士は言う。

 最新の研究では、記憶が脳に格納される仕組みについて抜本的な見直しが行われている。かつて記憶はスナップ写真のように、一度記録されると細部は固定されたままになると考えられていた。だが現在では専門家の多くが、記憶は棚に収納されている個別のファイルのように、取り出して閲覧したら、しまうときには別のファイルに置き換えることができるという考え方に賛同している。つまり、記憶を棚から取り出している間に修正すれば、古い記憶を、新たに更新された記憶と置き換えて格納し直すことができるということだ。

 外傷を伴う出来事を経験すると、たとえ間接的であっても、その出来事を思い出すたびに毎回恐怖感に襲われるようになることがある。例えば、帰還兵が、車の爆発事故を目撃したときに、頭の中で爆音が戦争時の体験と結び付けられ、感情的な反応が引き起こされる場合がある。

 そこで研究者たちが現在取り組んでいるのが、そうした恐怖感を長期的または永久に弱める新たな手法の開発だ。すなわち、最初の記憶を格納庫から取り出した後に治療を施し、元の記憶が別の新しい記憶に置き換えられて蓄積されるようにする方法だ。その1つが、まず被験者に原因となった出来事を詳しく記述させ、それを治療のたびに読ませるやり方だ。

 最近行われた研究で、ハーバード大学のピットマン教授と米マギル大学精神科のアラン・ブルネット教授は、銀行強盗に銃で頭を殴られ、生命の危機を感じる体験をした後、PTSD症状に悩まされるようになったカナダ・モントリオール在住の男性を対象に、上記の治療を行った。男性は長年の趣味であった野鳥の観察もやめてしまい、恋人とも別れてしまった。さらに、不安感に襲われて外出もままならなくなり、やがて家に引きこもるようになってしまった、とブルネット教授は言う。

 ブルネット教授によると、男性が受けた治療は全部で6回。男性は毎回、高血圧症の治療薬を投与された後、記憶を思い起こす作業を行った。高血圧症の薬は、心拍数の増加や過剰な発汗など、恐怖感に襲われたときの一般的な症状を緩和する効果がある。

 ブルネット教授によると、男性は5回目の治療までは、自分が書いた文章を読むたびに孤独感を感じると語っていたという。だが治療開始から2年経った今、男性は以前の生活をすっかり取り戻したという。男性は、今でも銀行での出来事を思い出すことはあるが、もう恐怖感は感じなくなったと話している、とブラント教授は述べる。

 ブルネット教授は今度は、複数の外傷性の記憶を持った患者を対象にした新たな研究に取り組む予定だという。その研究では、患者に無作為に高血圧症治療薬または偽薬(本物の薬のように見えるが効能はない薬)を投与して、その効果を調査するという。

 ブルネット教授は以前、ピットマン教授と組んで、2つの小規模な研究を実施している。その結果によると、過去の外傷性の出来事の記憶を呼び起こした後に高血圧症治療薬を投与された患者は、PTSDの症状が緩和されていることが分かったという。

このほか、薬の代わりに行動セラピーを使用した外傷性の記憶の書き換えについても現在研究が進んでいる。
[ウォール・ストリート・ジャーナル:3月17日7時31分配信]

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わたなべりんたろう

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わたなべりんたろう

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