今月初め、ブッシュ前大統領が日本シリーズの始球式に登板した(3日)。日本シリーズの歴史上、もっとも薄汚いヒトコマではないだろうか? このイベントに『喝!』と言ったテレビ局はないだろうと思う。イチハシ容疑者を追いかける熱心さはあっても。
そうしたものに馴れきってしまうと、子供の頭はやはりそれに見合ったものになる(まぁそのほうが、日本社会の秩序を乱される心配が無くなるわけだから良いのかもしれないが)。
さておき、ブッシュの始球式についてイギリスの新聞『Guardian』にコメントした。興味がある人は読んでみてください。依頼があって書いたのではなく、登録すれば誰でも書ける仕組みです。なので皆さんもやってみてはいかがでしょうか? 自分の書いたものが世界中に発信されるのはスリリングです!(世界の中で見ると、英語を理解する人のほうが日本語を理解する人よりずば抜けて多いので)
私が書いたのは、日本シリーズを放送した日本テレビとCIAの関係についてです。参考にしたのは『原発・正力・CIA』という新書。英語で書いたので、細かい文法とか間違っている点がけっこうあるかと思います。つまりそういうのを気にしない(できない)程度の、私の英語力というわけです。
http://www.guardian.co.uk/world/deadlineusa/2009/nov/03/george-bush-pitch-japan-series
いちおう訳を載せると、こんな感じです↓
「この記事にだれもコメントしてないのは、世界の中でブッシュや日本の存在が軽いからだろう。この試合を放送した日本テレビの初代社長はCIAと強い関わりを持ってた。CIAは共産主義が日本で広まらないよう、日本のテレビ局をアンチ共産主義のプロパガンダ機関として利用したかった。それで、日本に新しくテレビ局が作られるのを後押しした。
一方、アメリカの原子力業界は日本を新しいマーケットとして考えていた。でも多くの日本人は原子力に対してアレルギーを持っていた。なぜならヒロシマ、ナガサキで核の恐ろしさをイヤというほど知ったし、ついこの前(当時)アメリカの水爆実験でマグロ漁船が死の灰をさんざん浴びるという事件が起きたりしたので。
なので、アメリカの原子力業界としては、日本人の原発アレルギーをまず取り除く必要があった。そこで考えたのが、新聞やテレビといったメディアを使って日本人の意識を変えることだった。日本テレビの初代社長で読売新聞のトップでもあった正力松太郎さんは、それに協力した。なぜなら彼は首相になりたかったから。」
・・という感じでした。
ブッシュは始球式登板の翌日、早稲田大学でスペシャルトークしたらしい。かつてアメリカ大リーグ・レンジャーズの共同オーナーをやった経験を踏まえ、スポーツマネジメントをテーマに話したようだ。質疑応答のコーナーでは、学生と次のようなやり取りがあった。
学生「アメリカ大統領は、いわば世界のリーダー。リーダーに必要な条件は?」
バカ「真実を語り、原則を示し、人気のために信念を曲げない事。政治・スポーツに限らず、人間としての資質が指導者には必要だ」
http://www.waseda.jp/jp/news09/091104.htmlより抜粋(早稲田のホームページ)
43代目の大統領だったということで”43”の入ったベースボールジャンバーが贈られ、イベントは盛況のうちに幕を閉じたとのこと。
早稲田はもし構内で誰か殺人をやってもそいつを非難する資格は失ってるな、と思った。こんな大学だから、スーパーフリーみたいなレイプサークルが生まれたのかもしれない。和田サンは捕まっても、その精神はしっかりと受け継がれている。大学当局に。
つーかそんな『なんでもアリ』な大学だからこそ、色んな力のある人材が産み出されるんだろうなぁ。マジメお坊ちゃんだらけの大学だと、それは難しい。とてつもなく美しいもの、とてつもなく悲惨なもの、それが一体となった国だからこそ、ブラジルが凄まじくパワーを持った音楽を産み出すようなもので。
あと付け加えると、『原発・正力・CIA』を書いた有馬哲夫氏は早稲田の教授のようだ(本のプロフィールによると)。