2009-11-18

白石晃士監督×早坂伸撮影監督対談/カネフスキー特集上映 「カネフスキーは相当性格悪いと思うな(笑)」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

次の前文で書いた通りの趣旨でおこなった対談です。よかったら是非。

「・・・カネフスキー監督の特集上映が開催されている。単なるレビューや紹介文は出尽くしているので、映画製作の側の方々との談話形式がいいと思い、白石晃士監督と早坂伸撮影監督にお願いして行った。お二人ともカネフスキーが大好きなうえに、現在、精力的に作品を発表しているという共通点もある。白石監督は「オカルト」以降、より意欲的な作品を発表し、自主映画時代の商業映画版リメイクの「バチアタリ暴力人間」を完成させたばかりである。早坂さんは「リアル鬼ごっこ」、「呪怨 黒い少女」などの撮影以外にも、自主映画にもプロデュース的に積極的参加し、脚本の勉強もしていたという単なる撮影監督の枠にとどまらない活動をしている」

<白石晃士監督×早坂伸撮影監督対談:カネフスキー特集上映に寄せて>http://intro.ne.jp/contents/2009/11/18_2106.html

[抜粋]
わたなべ「今回、観直してみてどうでしたか?」

白石「これは凄まじいなと。映画監督が簡単に手の届かない「神の領域」に達していますね。彼岸というか」

早坂「ドキュメンタリーのようなリアルさが今見ても色褪せてなかったですね」

わたなべ「奇跡のような作品ですよね。妙に生々しい」

白石「後、どの作品にも共通するのはカネフスキー監督はキチガイ、障害者、ケツが好きなんだなと思いましたよ(笑)」

早坂「カネフスキーは相当性格悪いと思うな(笑)」

わたなべ「監督は性格が悪いほうが良い作品が撮れるともいいますからね。だから、今の日本の監督はダメだとの説もありますが(笑)」

早坂「そしてアクションが暴発的で予測できない。しかも狂っている。階段から降りるシーンとか危なすぎる(笑)」

わたなべ「繊細さと野卑さが絶妙なんですよね」

早坂「ユーモアもいいんですよ。トイレにイースト菌を入れるのはなるほど!と思いましたよ。『大人は判ってくれない』や『ドイツ零年』とか監督が自分の少年期を描いた作品はありますが、トリュフォーやロッセリーニは製作時期から少年期を描くまで、それほど年次がたっていないですけど、カネフスキーは54歳のときに40年以上前のことを描いている。相当作り込んでいるのに全くそう見えない。これは本当に凄い。レンフィルムの製作で、『動くな、死ね、甦れ!』は3:4、『ひとりで生きる』はヨーロピアンヴィスタの画面サイズ。『動くな、死ね、甦れ!』は驚異的に手持ちカメラが上手い! 『ひとりで生きる』はフィックスで『動くな、死ね、甦れ!』で印象的だったアップの画面がほとんどない。スモークを多用していてアンゲロプロスみたいでもある。フランス資本が入ってきているし、前作の成功で画面作りに欲が出たのかもしれない」

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わたなべりんたろう

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わたなべりんたろう

“「ショーン・オブ・ザ・デッド」の監督・主演コンビの傑作「Hot Fuzz」の公開署名運動をしています。 <Twitter> http://twitter.com/RintaroWatanabe ”