2008-09-01

★懐古の客 このエントリーを含むはてなブックマーク 

★2日目

昨日は移動のみのため、実質今日が初日。
遠く田んぼの地平線から上がる朝日と共に目覚めた。
寝まき代わりに着ていたTシャツには、もうすでにじっとり汗が染みこんでいる。

朝ご飯は、宿泊所のおばさん手作りの卵焼きに手作り(?)のフランスパンだ。
こんな田舎でフランスパンというのは意外だったが、カンボジアはその昔フランス領でもあったため、パン食は割と普通なのかもしれない。

ハエがぶんぶん飛んでいる。
尋常でないくらいパンにたかっている
ハエがたかっている食卓なんて初めてだ。
こんなにハエがたかっているのに、これ、食べても大丈夫なの?
病気になんない?
この卵はきっとその辺で走り回っているニワトリのものだろうか?
チョロチョロ動き回ってるニワトリの前で、産みたてって、なんかちょっと気持ち悪い。
・・・次第にハエのことなんか、気になんなくなってきて、産みたての卵(気持ち悪いよね?)で、作った卵焼きを口いっぱいに頬張ってみた。

黄身が濃厚で美味い!
黄身の黄色もオレンジに近い。
パンも美味い!
なんか小麦の味がちゃんとする。
パンってホントはこういう味がするんだ!

普段朝食を食べる習慣がないのだが、ここでは朝から思いっきり食べてしまった・・・・。

これを書いていて、敬愛するマンガ家・藤子・F・不二雄の夢カメラ「懐古の客」という短編を思い出した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%87%90%E5%8F%A4%E3%81%AE%E5%AE%A2
この話の中で、未来から時間旅行のツアーで現代にやってきたヨドバ氏は、本物の小麦で作ったパンと本物の肉と野菜で作ったメンチカツに大感動していた。
ヨドバ氏の住む未来では、食べ物はすべて合成の肉や野菜になっていて、本物の肉や野菜は一部の金持ちしか食べられない贅沢品となっていたのだ・・・・。
この話、貧困層ほどファーストフード(加工品)の消費量が多いとかなんとか、現実にどこかの国で聞いた話でもある。
そして、この物語の最後でヨドバ氏はこう叫ぶ。
「蚊だ!」
「南京虫だ!」
「人間が真に人間らしく、自然と調和して生きる姿がここにあった!!」
自分がまるで未来から来たヨドバ氏になったかのような気持ちになって、田舎を楽しんでいた・・・。
田舎ってスゲーな~(笑。

食事を終えて談笑していると、どうやらココは「キリングフィールド」のあるチューンエック村というところらしい。

「キリングフィールド」とは、ポルポト時代、何の罪もない人たちを収容所に閉じ込め、さんざん拷問したあげく、この地に連れて来て処刑した場所だ。
「キリングフィールド」といえば、最後のシーンでジョンレノンの「イマジン」が流れる
あの戦争映画を思い出すだろう。
「キリングフィールド」
http://www.actv.ne.jp/~yappi/eiga/EE-01killing%20field.html
まさにその凄惨な現場となった地だ。
今ではここに慰霊塔が建っている。

朝食後、皆でここに行ってみようということになった。
昨晩バスがぬかるみにハマったガタガタ道を逆に歩いて、皆でこの「キリングフィールド」に向かう。
キリング・・・・フィールド。
なんとも嫌な響きの名前だ。
途中、養鶏場の横を通ったり、水牛が道を横切ったり、歩いている分には、ここでわずか20数年前、その凄惨な出来事があったと思えないくらい牧歌的だ・・・・。

中に入ってほどなく、死者を弔う慰霊塔があった
中をのぞくと、ここで出てきた人骨がウズ高く積み上げられている。
そこら辺掘り起こせば、まだまだ骨がでてくるそうだ。
しかし、牧歌的なシチュエーションのせいで、目の前に高く積み上げられた人骨の風景でさえ、まるで現実感がない。

近くでセミが鳴いている。
近くの学校からは子供達の歌声が聞こえる。
照りつける暑さは徐々に気温を上げていた・・・・。
・・・・・。
・・・・・。

この時点では、カンボジアという国がどういうところで、何があってこういうことになったのかよく知らないまま、ただただ人骨の山を見上げていただけだった。

後に、収容所跡を見学するまでは・・・・。

★【カンボジア】一日目
http://www.webdice.jp/diary/detail/1437/

キーワード:


コメント(0)


増田セバスチャン

ゲストブロガー

増田セバスチャン

“ 6%DOKIDOKIと増田セバスチャンの活動に興味のある方は、ぜひフレンド申請お願いします。”