2016年の演劇集団キャラメルボックスは全体的に血なまぐさい。
いうまでもなく、キャラメルはファンタジーやハートウォーミングだけをやっているわけではなく、サスペンスにも傑作はある(意外と知られていないでしょ!)。
原作モノだが、東野圭吾『容疑者χの献身』舞台版などは、映画版と較べものにならない緊迫感と演出プランが衝撃的だった(DVDで見た、発売中、まじスゲーよ)。
http://www.caramelbox.com/stage/yougishax/index.html
それで、あらめて2016年ラインナップは、殺人やら怨恨など“血なまぐさいモノ”が多いなぁ……と昨夜感じたんだけど(ちなみに、ここ数週間何回も見ているDVDは『あなたがここにいればよかったのに』と『嵐になるまで待って2002』)。
行ってきました、演劇集団キャラメルボックス『彼は波の音がする』大阪初日。
ゲストとして、福澤朗&武田航平が客演していることも話題の公演だ。
http://www.caramelbox.com/stage/summer2016/
書き下ろし新作となる「2016年サマーツアー」は『彼は波の音がする』と『彼女は雨の音がする』の2本立て(料金は別々)で、男性視点と女性視点から描かれる十八番の幽霊モノ。
ハズしようのない期待作なのであーる。
ツカミのダイスシーンが思わぬ新鮮な振り付けで「おぉー」となったあとは、
これまで見たことあるシーンやセリフ回し、パロディが次々と飛び出し「シン・ゴジラ」的な楽しさ満載。
ひょっとして、これこそが“30周年記念”で用意した企画ではなかったのか?と勘ぐってしまうほど。
前回公演『また逢おうと竜馬は言った』は、キャラメルボックスの“青春”を感じるステージにだったけど、今公演は総復習なのかなとも感じた。ものすごくテクニックだけで作り上げているようにも感じた。
http://www.webdice.jp/diary/detail/12517/
まぁ、それほどひとつひとつ完成度が高いなのだ。
うまい感じでケラケラして、ふと緊張感が走り、気がつけば涙がほろり……。
まんまとやられてしまう。
過去最強かとも思える強引な展開(過去最強に“死”も軽すぎる)なのだけど、その後のひとつひとつのシーンやセリフが……たった5秒のシーンでさえも、キャラメルの歴史を感じさせるもので、重かった。
続けて、もう1本『彼女は雨の音がする』大阪初日(20日)に観劇予定。
不覚にもレビューを読んでしまったけど。
今夏の『彼は波の音がする』と『彼女は雨の音がする』はあわせて見ると、トンデモない破壊力らしい……。
逆にハードルあがりすぎて、マズイ。
つづく。