とらねこさんの日記
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2013
4月
14
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『パパの木』クロスレビュー:喪失と再生の優しい時間
言葉にならないほど美しい…。 ここで描かれている一本の大きな樹の美しさはため息が出るほど。 風に梢のそよぐ音、虫の声、やわらかな光。何の飾り気も無い、そこにあるがままの自然だけで素晴らしい音響効果。 心が折れてしまった時、思わず立ち止まってしまった時。そんな時を想像してみれば、この物語の優しさが分かる。 胸全体で抱きしめるかのように、大きなものに包み込まれたような。 何よりも、木自体が目...
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2012
4月
06
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『誰も知らない基地のこと』クロスレビュー:世界中にあるアメリカの軍事複合体 - multiple industrial complex-
普天間基地については、日本人として注目すべき、いやしなければならない議題だ。しかし原発や東電の問題が日毎クローズアップされ、このニュースに隠れてウヤムヤになってしまうのではないかという危惧がある。こんな時期にこうした、問題提起性のある優れたドキュメンタリーが公開されることを心強く思う。さすがはイメージフォーラム。ありがとう! イタリア初のこのドキュメンタリーは、‘07年にヴィチェンツァで起...
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2009
11月
30
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どこを切っても”大地の恵み”、この雄大さ!
映像でこうやって旅行が出来るなんて、なんて素敵なんだろう。 自分にとって映画を見る理由は、時にこうした素晴らしい景色に巡り合う妄想旅行に、連れて行ってくれるから。予告を見た瞬間から、絶対見てみたい!と思っていた。だって、ボリビアの民族、ケチュアの人々の人生を間近に見ることができるなんて。そして、彼らと一緒に塩キャラバンの旅に出るなんて、めったにないチャンスだもの。 ドキュ・フィクションと呼...
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2009
10月
22
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outstanding!なアニメーションで記憶の旅
アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞他、様々な賞をかっさらっていったという評判のこの作品。これまた突出したアニメーションの登場だ。 まず目を奪われるのは、映像の突出したセンス。ビビッドな色使いに、大胆で太めな線でクッキリ明暗を浮かび上がらせる、劇画タッチの人物の輪郭線。 さらに、CGを駆使して背景画像に疾走感を感じさせる。人物が走るその背景が、気持ちよく...
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2009
7月
07
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スパイク・リーはどこへ行くのか?
『マルコムX』からスパイク・リー作品を見始めた自分には、これが「スパイク・リー監督作品」と聞かされずに見たら、後から知ってもにわかに信じがたかっただろうと思う。最近の方向性がすべからく予想外なことが多かったにしても、これは・・。 まるで往年の名作でも見るかのようなデジャヴ感に、クラクラする。堂々とした味わいのあるしっかりしたテイストに、驚くばかりに惹きつけられる。 この映画、2時間40分とかな...
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2009
6月
11
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エクストリーム・スポーツ、サーフィンを描いた真摯なドキュメンタリー
ただ海とサーフィンをこよなく愛す、それだけの気持ちからのスタートだったはず。きっと。サーフ文化をただのスポーツではなく、現在何億ドルもの金の動く一大産業にまで推し進めた、そんなオトコたちのアツい物語。 世界で一番の波を求めてオーストラリアからやって来て、寝る場所だけ確保したら後は、来る日も来る日もサーフィンをして過ごす・・・。こう聞くと夢みたいな話。「この世のパラダイス」なんて言う言葉も、ゼンゼ...
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2009
6月
02
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2009
5月
21
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2009
4月
30
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退屈知らず・命知らずなドキュメンタリー
思わず、息を飲んだ。「なんと、無謀な!」 そそり立つビルの谷間、ワイヤー一本の上に一人立つフィリップ・プティの姿を見た人は、思わずその恐ろしさに青くなり、怒り出すかもしれない。興味本位、やじ馬半分。そして多くは、畏れを感じて。 でもこの映画を見た人に、決してそうは映らないことを、私は約束する。 子供のように目を輝かせ、いつしか彼の冒険に参加している気分にすらなってしまった。こんな魅力的な...
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