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5月

17

終了NEXT TO NORMAL  感性のノーマリティはどこにある?  ――美しさとデザインの基準を問い直す

今回は、Tomoko Noharaさんを中心に進めている「美女観照」と長田年伸さんを軸に進めている「読みやすさの科学」、この2つの新しい展開を紹介します。

  • 日程
    2013年05月17日

  • 時間
    19:30

  • 会場
    クリエイティブスペースamu

amuのイベントシリーズ「Open Publishing @amu」から立ち上がった、「普通ってなに?」を考える新しいメディア「NEXT TO NORMAL」。
3グループのうち、今回は、Tomoko Noharaさんを中心に進めている「美女観照」と長田年伸さんを軸に進めている「読みやすさの科学」、この2つの新しい展開を紹介します。
またイベント当日の公開を目指して、ウェブサイト「NEXT TO NORMAL」の立ち上げを現在進めています。

私たち生活者の五感には、そもそもどういう可能性があるのでしょうか?
至るところから情報が入り、刺激の受け手にまわりやすい私たち。しかし反対に私たちが五感を使う新しい「見方」を提案して、生活者の感性的なノーマリティ(基準)を今の時代にしめせないでしょうか。私たちの生活そのものが、面白くしなやかになるためにも。

「美女」と「読みやすさ」をベースに、美しさやデザインを、生活者の視点から、主体的に考える実験をします。それはどちらも、今後だれもが必要となる「感性のヴィジュアライゼーション」の試みでもあります。

プレゼンテーション
1)美女観照――「顔」をめぐる感性のヴィジュアライゼーション(Tomoko Noharaさん)
2)書物にとって「読みやすさ」とはなにか。
  ――「工芸としてのデザイン」と「芸術としてのデザイン」(長田年伸さん)
◎太田尚宏さんのグループの進捗報告

1)美女観照――「顔」をめぐる感性のヴィジュアライゼーション
Tomoko Nohara(マーケティングプランナー/美女観照家)

【美女観照について】
過去2回、美女観照が求めることについて、お話をさせていただきました。

◎前回までにわかったこと
・一般的に美人/不美人の判断は、特定の時代・地域の評価基準に強く影響される。さらに社会的な評価基準を前提として、個人レベルの「好み/好みでない」という感覚の次元に大きく左右される。
・美女とは、文化的背景によってつくられる=イメージとして社会や文化に影響されやすい言葉

◎美女観照において発見したいもの
・エロス的(性の本能や生存欲求にもとづく性的な感性)でもタナトス的(死や、無機質へ向かう感性や本能)でもない視点
 =近代の、男性社会的な評価基準を超えた「美」のとらえ方
・自己に内在する、無意識にすり込まれた「美・醜」ではない視点
 =自分の中に内蔵されている偏見・主体性ではないとらえ方

>>「美女観照」続きはこちら

2)書物にとって「読みやすさ」とはなにか。
  ――「工芸としてのデザイン」と「芸術としてのデザイン」
長田年伸(デザイナー/編集者)

書物にとって「読みやすさ」とは何か。この問題が読み手の感性や慣れの話として語られ、それ以上の観点や研究の道筋がないとみなされがちだったことは、これまでの発表で述べてきた通りです。

もちろん、個人個人の感覚を無視してこの問題を語ることはできません。けれども、そのことはいったん保留して、いま私たちが語り得る要素に目を向けることからスタートしようとしたのが、本プロジェクトの始まりでした。

先日、グラフィックデザイナーの永原康史氏に取材することができました。誤解を恐れずに言うのであれば、取材であらわになったのは「工芸としてのデザイン」と「芸術としてのデザイン」の違い。つまり、文字や書物をデザインする上では、そもそもそのデザインが「工芸か、芸術か」という、2つの見かたのせめぎあいが問題になるということ。そして、それはそのまま、工業製品としての書籍フォーマットと、個人的な感覚の領域をいかにつなぐか、という問題にもなぞらえることができます。

>>「書物にとって『読みやすさ』とはなにか。」続きはこちら

◎太田尚宏さんのグループの進捗報告

東日本大震災から丸2年が過ぎました。現地の人々以外は、次第に震災のことが記憶から薄れ、メディアで取り上げられる機会が減ってきているように思います。しかし、数少ないメディアの報道の中に、「復興が進んでいる」という内容は皆無に近い印象を持っています。
長い間暮らしてきた場所と結びついた心、それを無視した復興計画では、なかなか人の力を引き出せないということなのかもしれません。

>>太田さん進捗報告の続きはこちら

・コメンテーター  仲俣暁生(フリー編集者、マガジン「航」編集人)
          津田広志(フィルムアート社編集長)
・司会 吉田知哉(ビー・エヌ・エヌ新社編集長)
    村田純一(ビー・エヌ・エヌ新社副編集長)

当日は、プレゼンのあと、登壇者と参加者が交流して、テーマについて話しあいます。
初めての方には、観客としてご参加いただきます。質疑応答やディスカッションにも、ぜひ積極的にご参加ください。
そして興味のある企画に出会ったら、ぜひプロジェクトのメンバーになってください。「Do It With Others」の輪を広げていきましょう。

また「普通ってなに?」をテーマとする「NEXT TO NORMAL」は、3つのグループの参加者だけでなく、新しい企画の立ち上げも常に検討中です。
これまで参加していただいた方はもちろん、下記のような方をお待ちしています。

・人やものの新しい組み合わせを考え、プレゼンテーションすることが得意な方
・新しいメディアの形を模索し、アウトプットを通じて成長したいと思っている方
・インディーズ、もしくはプロとして編集やデザイン、ウェブ、映像の仕事をしている方、成果物のある方
・将来独立したメディアを立ち上げたい方
・編集やデザインを学んでいる学生

ぜひお気軽にお越しください。

※「NEXT TO NORMAL」は、amuで2011年5月から1年半開催されてきた「Open Publishing @amu これからのメディアをD.I.W.Oでつくろう」から立ち上がったメディアです。

★「Open Publishing @amu」シリーズ記録
 NEXT TO NORMAL NEXT TO NORMAL 失われた場所で音を紡ぐ ――音の力を信じる
 NEXT TO NORMAL 「読む/眺める」というふるまい 文字、デザイン、美女
 第14回「NEXT TO NORMAL 企画発表 vol.1」
 第13回「NEXT TO NORMAL 立ち上げ準備会」
 第12回「今後の進む道会議」
 NEXT TO NORMAL 〜普通ってなに?
 第11回「NEXT TO NORMAL会議」
 第10回「制作作業会議2」
 第9回「制作作業会議」
 第8回「制作進行会議」
 第7回「Output会議2」
 第6回「Output会議」
 第5回「人脈、ネットワーク会議」
 第4回「コンテンツ会議2」
 第3回「コンテンツ会議始まります。」
 第2回「プロジェクト(D.I.W.O.的)編集に向けて。」
 第1回「自由に話そう、これからのPublishing。」

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