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終了吉田有紀「芸術におけるL点の調査と研究」

  • 日程
    2010年06月17日 ~ 2010年07月16日

  • 時間
    12:00

  • 会場
    eitoeiko


吉田有紀は平面上に数個あるいは無数の球体、円形を描画し配置することにより出現する、色と影の世界を描いてきました。ほぼ15年にわたるこの作業の中で、作家はマルセル・デュシャンの語る「鑑賞者との共同作業」を行い、「なにものかはわからないがなにものかが見える」光景を創造しています。
吉田の作品は、見えざる何かを求めた、可視の世界のなかに不可視の領域をもちこんだ作品といえるでしょう。それは抽象画にも見えますが、同時に具体的な形象を持ち得る可能性を秘めた絵画なのです。近年は描いた円球の数に数字という「要素」を見出し、研究対象としました。 画面に無造作に数個の円球を描き、その個数を数えると、そこにはゼロから無限へとつづく数列の海から選ばれた、たったひとつの特定の数が存在するということの意味を作家は考えます。 このたびeitoeikoで発表する作品は、数という無機的な概念とは真逆ともいえる、有機体、すなわち生命についての立体作品を発表します。数と生命というふたつのテーマは、じつは作家の興味の根源でもある「もののかたちのはじまり」をとらえるための、二大要素ではないでしょうか。日本画と現代美術、平面と立体という概念を天体ととらえ、そのラグランジュポイントを考える展覧会。吉田有紀の新たな挑戦にご期待ください。

*L点…ラグランジュポイントとよばれる、天文学においてふたつの物体が円軌道を描く際、それぞの重力と遠心力をつりあいながら第3の物体が2体との位置を保つことのできる地点。

吉田有紀
1971年 神奈川県鎌倉生まれ
1995年 多摩美術大学絵画科日本画専攻卒業
1997年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
1998年 第3回昭和シェル石油現代美術賞入選
1999年 第10回関口芸術基金賞優秀賞
2000年 第11回五島記念文化賞新人賞
2000-01年 ロンドン大学スレード美術学校に学ぶ
2006年 NO BORDER 日本画から日本画へ(東京都現代美術館)
2009年 META II(高崎市タワー美術館ほか)
2010年 META II(神奈川県民ホールギャラリー)
2010年 個展・回顧展(カスヤの森現代美術館)

吉田有紀「芸術におけるL点の調査と研究」
2010年6月17日(木)~7月18日(日)
開廊:12時から19時 月曜日・火曜日休廊
ヴェルニサージュ:6月17日(木) 18時から20時

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