骰子の眼

cinema

東京都 中央区

2013-05-03 11:05


ベタベタに真っ直ぐな信念が、彼らが放つ鉄拳のように深く心に突き刺さる

ライアン・ゴズリング、ショーン・ペン出演の「暴力のボードゲーム」『L.A.ギャング ストーリー』クロスレビュー
ベタベタに真っ直ぐな信念が、彼らが放つ鉄拳のように深く心に突き刺さる
映画『L.A.ギャング ストーリー』より (C) 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

『ゾンビランド』(2009年)『ピザボーイ 史上最凶のご注文』(2011年)のルーベン・フライシャー監督がフィルム・ノワールに挑む!? 1940年代半ばから50年代を通して、ロサンゼルスを牛耳った犯罪組織のボス、ミッキー・コーエンと警察との戦いを描いたポール・リーバーマンによるノンフィクション「Gangster Squad」をベースに、極秘裏に組織されたL.A.市警の刑事たちの少数精鋭部隊の駆け引きをスリリングに描いている。元L.A.市警殺人課刑事のウィル・ビールが脚本を担当しており、フィルム・ノワールという言葉からイメージされる霧がかったイメージとは異なる、新たな世界を作り上げている。1940年代という、第二次大戦後の急速な近代化を遂げた時代の華やかなL.A.の様子を、ノスタルジックに、というよりも、あえて現代的な質感で捉えることにより、「ジャンル映画」としてのフィルム・ノワールではなく、現在でもきっと起こりうる人間関係の駆け引きとして描こうとしているのが、今作の特徴と言えるのではないだろうか。

GANGSTER SQUAD
映画『L.A.ギャング ストーリー』より (C) 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

ミッキー・コーエンとL.A.市警という善悪を超えた戦いを、陰鬱な画面ではなく、スタイリッシュな映像美で見せていくなかで、ジョシュ・ブローリンをはじめ、今や最も注目を集める俳優となったライアン・ゴズリングら、役者たちの存在感が際立つ。その結果、単なる歴史物でもなく、もちろん現代のドラマでもない、不思議な感覚のなかでそれぞれの人間模様が描写されていく。衣装や車、建築物など、細かいディティールに至るまで、40年代を完璧に再現するというより、絶妙に現代風にトランスフォームされているような感覚とともに、ギャング映画を知らない人のためのギャング映画、という試みは成功していると言えるだろう。

GANGSTER SQUAD
映画『L.A.ギャング ストーリー』より (C) 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED




映画『L.A.ギャング ストーリー』
2013年5月3日(金・祝) 丸の内ルーブル他 全国ロードショー

監督:ルーベン・フライシャー
脚本:ウィル・ビール
製作: ダン・リン、ケヴィン・マコーミック、マイケル・タッドロス
製作総指揮:ルーベン・フライシャー、ポール・リバーマン、ブルース・バーマン
キャスト:ジョシュ・ブローリン、ライアン・ゴズリング、ショーン・ペン、ニック・ノルティ、エマ・ストーン 他
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C) 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/gangstersquad/
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▼映画『L.A.ギャング ストーリー』予告編



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