骰子の眼

cinema

東京都 新宿区

2013-01-11 12:50


アクション一辺倒でなく、哲学的な物語であり、愛の物語に集結させている

ブルース・ウィリスとジョセフ・ゴードン=レヴィットが未来と現在の自分を演じる『LOOPER/ルーパー』クロスレビュー
アクション一辺倒でなく、哲学的な物語であり、愛の物語に集結させている
映画『LOOPER/ルーパー』より (c)2012 LOOPER DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2044年と2074年というふたつの世界をタイムマシンが繋ぎ、未来の支配者を阻止するために、そして自分のアイデンティティを探し求めて戦いに挑んでいく。このプロットは『ターミネーター』『ミッション: 8ミニッツ』『恋はデジャ・ブ』『バタフライ・エフェクト』といった映画を想起させる。未来社会の殺伐とした空気やドラッグの描写なども決して新しいものではない。しかし今作が特徴的なのは、このタイムトラベルという設定に寄りかからず、最終的に憎しみの連鎖、暴力の連鎖がいかに人間社会のなかで生まれ、そしてそれを断ち切るためにはどうしたらいいか、というもうひとつのテーマが浮かび上がってくるところだ。

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映画『LOOPER/ルーパー』より (c)2012 LOOPER DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ジョーという処刑人の現在と未来をジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスという一見似ても似つかない俳優が演じる。にわかに繋がらないふたりが、30年をまたいだエピソードが重ねられることにより、真実味を帯びてくる。そのストーリー自体、ジョーという人間がどのような幼少時代のトラウマを持ち成長していったかということを自覚してく過程となっている。自分の中にある怒りの根源を抑えることこそが、世界を救うことになる、そして、自分の運命を左右するのは自分自身なのだ、という壮大かつ本質的なメッセージとして観客に投げかけられる点が、今作が熱狂的に受け入れられた理由であると思う。

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映画『LOOPER/ルーパー』より (c)2012 LOOPER DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.



映画『LOOPER/ルーパー』
2013年1月12日(土)より丸の内ルーブル他全国ロードショー

出演:ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エミリー・ブラント
監督・脚本:ライアン・ジョンソン
提供:ポニーキャニオン、ギャガ
配給:ギャガ、ポニーキャニオン
2012年/アメリカ/118分/シネスコ/ドルビーデジタル、ドルビーSR、SDDS
公式サイト:http://looper.gaga.ne.jp/
公式FACEBOOK:http://www.facebook.com/loopermoviejp
公式twitter:https://twitter.com/loopermoviejp

▼『LOOPER/ルーパー』予告編



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