ほぼ全くの予備知識0で観た。前情報はヴィゴ・モーテンセンがアカデミー主演男優賞ノミネートだけ。しかしそれを聞いて思ったのが「え?クローネンバーグ映画でアカデミー賞?」と言う純朴な疑問。
観てる最中も「クロネンか否か?」という視点で見てしまった(すいません)。
結論を言えばクロネンファンが観ても大丈夫な仕上がりになっているのではないか。映画の随所に現れるクロネン映像は健在。ただフライヤーにも書かれてる全裸格闘サウナのシーンなどは「これぞクロネン!」といった風な評価はもちろんされていない。でもそもそも「全裸格闘」自体がクロネンだ。さらによくよく観ればクロネンなディティールがあってファンとしてはグッと来ると思う。
物語の作りとかStory Tellingは途中からイージーなところもあり少々がっくり来てしまったけど今までもクロネン映画に大どんでん返しや先の全く読めない展開を期待していたわけでもないのでこれもありかなと。
今後のクローネンバーグは特にクロネンが好きでもない観客層にもアピールできる映画を作り続けるのではないか。
「スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする」の興業が良くなかったのを受けてこういう作風に変化してきたのかな。
そういえば撮影全般に言えることだけど明るすぎるのではないか?
もっと全体が暗くて必要なところのみライティングすればいいと思うのだけどとにかく画面の隅々までよく見える。
これも今日日のハリウッドっぽい作画にシフトしてきていると言うことなのかしら・・・。