2008-05-21

マジョルカ島の太陽 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 物語は終戦直後1946年からスタート。それから1970年代初頭までが舞台で主人公の富豪家族は欧州を転々とする。映画はその日常と文化背景とをスケッチするかのようにサラリと描く。
 この映画の特徴なのだけど結構過激なシーン、内容でもホントに素描画のようにUpDownもなく一日常として捉えている。
 ストーリーのテンションを不要に盛り上げもしないし冗長なクドクドした説明もない。
 言葉足らずで描かれるからこそそこから背景が広がって見える俳句や川柳のよう。
 なのでキャッチコピーに煽られて「一人の女性の鮮烈な人生」が苛烈に描かれているのを期待していくと肩すかしにあうかも。
 母子役のジュリアン・ムーアとエディ・レッドメインは超好演で存在感オーラを放ちまくりとなっている(良い意味で浮く)はずなのだけどこの素描画演出がそれを自然体のものとしてまさに映画と一体化している。
 
 劇中で多くの時間を過ごすスペインのマジョルカ島の撮影も素晴らしく地中海映画らしい鮮烈な太陽と乾いた空気が美しい。
 しかしその青い空の下、怠惰でどんよりとした日々を過ごすある一つの家族。

 この作品のエディ・レッドメインは一昔前の映画美青年を思い出させる。好みの問題だけどはまる人はグッと来るのではないか。

 監督は「恍惚」のトム・ケイリンで彼は「I SHOT ANDY WARHOL」「GO fish」「オフィスキラー」等にもいろんな形で関わっている。制作に名を連ねるのはクリスティン・ヴァション 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」「 ボーイズ・ドント・クライ」「ベルベット・ゴールドマイン」「ハピネス」「アイム・ノット・ゼア」等

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