癌 失業 就職難 離婚 津波で妻子が死亡 突然死 欝病・・・
まるで、現代の不幸を全部背負っているかのようです。
だが実際こうなってしまったら、人間って凛として立ち上がるのではないだろうか?
しかしながら、この映画ではウジウジ、メソメソ・・・
こんなものだろうか、人間って?!
とは思うが、親心って優しいもので、親なら誰でもしてしまうことなのでしょう。
就職の意のままにならぬ息子に年金不正受給させようと、余命いくばくもない末期癌の父親はミイラ化を決意する。
まさに究極の選択というワケですよね。
仲代がさすが上手い、彼でなかったら誰がこの役やれただろうか?
現代のメンタル面の辛さ、人間関係の希薄さが突き刺さるように迫ってくる。
タイトルが散漫に思えるが・・・、木下恵介監督の過去作を意識してのことだろう。
小林政広氏の監督であるより前に、人柄を彷彿とさせる力作ですね。
残念ながら、まだまだこの様な日本の悲劇は続くだろう、十年後・二十年後も。
私達に「何とかせねば!」と問いかけてくるような作品です。
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