2013-03-10

『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』 クロスレビュー:アントン・コービンは被写体に自分を見る。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

U2、デペッシュ・モード、メタリカ、ルー・リード。
カート・コバーン、マイルス・デイヴィス、イアン・カーティス。

アントン・コービンは、
ミュージシャンのポートレートやPVを手がける写真家だ。

アーティストとは、セッションをする形で相互関係を作る。
彼は、被写体をリラックスさせる能力を持っている。
対話から、お互いの賞賛が溶け出す。

心の中で、まず風景を切り取る。
カメラのシャッターを切り、時を止める。
選ぶのではなく、選ばされている感覚。

作風は粒の集合体のようだ。
重厚な黒色は、死を思わせる。

夭折したアーティストに扮したセルフポートレートで、
故人と対面するポップな一面もある。

自身の作品である映画「コントロール」、「ラストターゲット」
ニルヴァーナのPV「Heart Shaped Box」といった映像と
本作の風景がクロスオーバーしていく。

これまで私生活を吐露してこなかった、
ある写真家のファインダーを通して見る心の実録である。

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shinya sato

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