2013-02-03

『故郷よ』クロスレビュー:監督からのメッセージを強く感じた このエントリーを含むはてなブックマーク 

チェルノブイリから3キロの隣町、プリピャチ。

原発事故を描いたドキュメンタリ-作品『プリピャチ』で、初めてプリピャチの現実を知り、衝撃を受けました。
原爆事故で人生が変わってしまったチェルノブイリの隣町、ブリピャチに住む人々を描いた作品『故郷よ』をweb DICEさんに見せていただきました。

<ストーリー>
1986年4月26日。
チェルノブイリから、わずか3キロの隣町プリピャチ。
この春の美しい日に、アーニャは結婚式を挙げた。 幸せを噛み締めながら、『百万本のバラ』を歌う美しい花嫁…。
しかし事故は起こった。
新郎は式の途中"山火事の消火活動"に駆り出され、二度と戻っては来なかった。
原子力発電所の技師アレクセイは、いち早くことの重大さを悟るが、真相を告げることも出来ず、降り出した雨に濡れないよう道行く人に傘を配るぐらいしか出来ない。
そんな中、強制退去命令が下り、街の人々は何も教えられないまま散り散りになり、 アレクセイは、妻と幼い息子のヴァレリーを避難させた後、消息を絶った…。
(web DICEさんの紹介記事より引用)

本作『故郷よ』が、初の長編映画デビュー作となる監督さんによる人間ドラマを描いたです。
また『007 慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコが主人公を熱演していましたが、『007 慰めの報酬』と印象が違いました。

1986年の原発事故当日とその10年後の二部構成で、汚染された土地に生きる人々の様子と変化を描き出していました。
2011年に日本で起きた東日本大震災と福島第一原子力発電所事故、その10年後を描いているような錯覚でした。

大きく深呼吸したくなるような、吸い込まれるような緑に、豊かな自然がとても印象的で、この街に住んでみたいと思わずにはいられません。
そんな美しい街に突然、原爆事故が招いた悲劇、失われた故郷に心を置きざリにしたまま、現実と向き合う人々の姿を映し出しています。

政治的な何かは、強く描かれてはいません。

真実を隠す政府、本当の恐怖とは放射能や汚染区域のように目に見えないもの、、、。
それでも故郷を愛し、離れられない人々。
身近な、すぐそこでの事が描かれています。

目に見えない強い何かを、監督のメッセージを、見た人誰もの心の底に響きわたるでしょう。

キーワード:


コメント(0)


ぐーぐー

ゲストブロガー

ぐーぐー

“映画と動物が大好物”