2013-02-03

中部電力の市川美余選手にも観てほしい! 愛すべきオッサンたちのカーリング! TNLF2013 ピックアップ③ 『キング・カーリング』 このエントリーを含むはてなブックマーク 

2006年のトリノオリンピックでチーム青森が活躍したことにより、日本でもより広く認知されるようになったウィンター・スポーツ、カーリング。最近は中部電力の女子チームが注目されていて、中でも主将を務める市川美余選手は“美しすぎるカーリング娘”として人気・実力ともに赤丸急上昇中。個人的にもぜひ頑張って来年のソチオリンピックに出てほしいなぁと目下応援しているところなんですが、そんな中、日本のカーリング・チームを応援するという意味もあって上映が決まったのがこの映画!…というのはまぁハッキリ言ってウソですけど、なにしろ面白いし、北欧産のコメディ、しかもスポーツ・コメディ映画なんて珍しいということでなんとかラインナップに組み込めるよう頑張ってきました。
北欧のコメディ・センスというと今一つ想像つきにくいですが、本作は少々アメリカのコメディ映画寄りで、印象はズバリ、ウィル・フェレルの“俺たち”シリーズ。かつては名選手だったものの、あまりに神経質すぎるがゆえに心を病んでしまった中年太りのカーリング選手が、肺病の恩師を救うため元のチーム・メイトを集めて再び試合に挑む姿を、適度なお下劣とポップな笑いで描いておりまさにフェレルの『俺たちフィギュアスケーター』や『俺たちダンクシューター』などを彷彿とさせます。
また一方ではコーエン兄弟の影響も見受けられ、『ビッグ・リボウスキ』のような心くすぐるユーモアとペーソスにも充たされています。つまり本作は、ストレートなスポ根映画というよりも、カーリングを題材に社会とうまく適応できない人間たちを愛情たっぷりに描いた愛すべきダメ人間賛歌。クセのある登場人物たちの一挙手一投足にクスクス笑えてラストは思いっきりハッピーになれる、非常にウェルメイドな快作に仕上がっています。主演のアトレ・アントンセンはノルウェーの人気コメディ俳優のようですが、今後もこの人の映画には注目していきたいです。
上映時間が75分と実にタイトで軽いですから、ご鑑賞の折りにはぜひ他の映画とセットで…というのはいかがでしょう? できれば美しすぎるカーリング娘、というよりもはや日本の“クイーン・カーリング”、市川選手にも息抜きに観ていただきたい1本です!



『キング・カーリング』
原題:Kong Curling/英題:King Curling
監督:オーレ・エンドレセン(Ole Endresen)
2011年・ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)/75min

【ストーリー】
トルルス・パルセン率いるカーリング・チームは強豪だったが、神経質なパルセンはいつしか心を病んでしまい、一線から退くことに。10年後、ようやく病院を退院した彼は、喫煙が元で重病を患った恩師の治療費を稼ぐため、かつての仲間を集めて再び試合に挑もうとする。しかし、その仲間たちもまた、それぞれに問題を抱え人生に行き詰まっていた。彼らは試合に臨めるのか!?

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