2013-02-01

『ドライヴ』で大ブレイク! デンマークの最終兵器ニコラス・ウィンディング・レフン! TNLF2013 ピックアップ② 「ニコラス・ウィンディング・レフン監督特集」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

初日に観に行った時はさほど混んではいなかったものの、その面白さが口コミでジワジワ拡がってゆき結果的にはスマッシュ・ヒット。予想通り雑誌「映画秘宝」の2012年ベスト10でも堂々の第2位に選ばれレンタルでも相変わらず高回転しまくっているバイオレントでロマンチックで80年代でスコーピオンな傑作『ドライヴ』。
ご覧になった方も多いと思われ、この映画によりニコラス・ウィンディング・レフンの名を記憶に刻んだという方も相当数いらっしゃるかと思うんですが、そのレフン監督のデビュー作『プッシャー』が実はちゃんと日本でも劇場公開されていたってご存知ですか? しかも銀座シネパトスで。しかもレイトショーで。シネパトスといえばもうすぐ閉館してしまいますけど、やっぱり先見の明のある映画館だったんですね(違うか)。
で、『ドライヴ』以降、旧作の『ヴァルハラ・ライジング』が単発公開されたり、『ブロンソン』がDVD化されたり、しばらくの間このレフン・ブームはつづきそうな気配なんですが…そう! そのブームに我々ノーザンライツもまんまと乗っかりました! それが、今回お送りする映画祭の目玉企画、「ニコラス・ウィンディング・レフン監督特集」です。
そしてあまり裏話は語れないですけど、同じくレフン・ブームに乗らんとしている業界他社とカブらなかったのがこの『ブリーダー』と『Fear X』の2本なのであります。でも、この2本にどこも手を出さないなんてどういうことでしょう? 傑作なのに。ならば“北欧”の2文字を冠している我々がやるしかないではありませんか! ということで若干“棚から牡丹餅”気分で劇場に多くの映画ファン、レフン・ファンの方々が詰め掛ける様子を想像しながら日々のカンフル剤にしているイヤラしいボクたちなのです。
『ブリーダー』は、ともすれば“90年代的タランティーノの亜流”と捉われるかもですが、しかしその独特のロマンチシズムや、渇いた、というよりやや湿度のあるバイオレンス描写への偏執的なコダワリは、やはりタランティーノやひと頃流行ったその亜流たちとは明らかに一線を画すオリジナルな趣きに充ちています。
また一方の『Fear X』も、名優ジョン・タトゥーロの類稀なる存在感を軸に、めくるめく色彩感覚と無国籍感によってまさしく『ドライヴ』の原点とも言うべきノワールチックな異形のラブ・ストーリー的世界観を構築していて目が離せません。
いずれも3回ずつの上映ですが、なるべく2本まとめてご覧いただけるようタイムテーブルを工夫しました。ぜひ、2本とも観て、“レフン・コンプリート”にお役立て下さい!
絶対に混みますよ!(混んでもらわなきゃ困る)

「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2013」 http://www.tnlf.jp/



『ブリーダー』
原題:Bleeder/英題:Bleeder
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン(Nicolas Winding Refn)
1999年・デンマーク/デンマーク語(Danish)/98min

【ストーリー】
コペンハーゲンの町はずれ、映画マニアのビデオショップの店員レ二ーと、妻の妊娠にストレスを募らせているレオ、そしてレオの義兄ルイスとビデオショップの店長の4人は、夜な夜な集まってはB級映画を鑑賞し合う仲間である。
ある日、デリカショップで働くレアに惹かれて声をかけたレニーは、思いがけなく実現した映画デートの直前に怯んでしまう。一方、妊娠した妻への暴力衝動が抑えられなくなっている義弟レオに不審を募らせたルイスは、さらなる暴力をもってレオを追い詰めていた。
男たちの感情のさざ波が、やがて大きく波打ちはじめる…。



『Fear X』
原題:Fear X/英題:Fear X
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン(Nicolas Winding Refn)
2003年・デンマーク=カナダ=イギリス=ブラジル/英語(English)/91min

【ストーリー】
警備員ハリーは、広大なショッピングモールを行き交う人々の挙動に今日も目を凝らしている。妻を殺人事件で失った彼は、違法と知りつつ仕事仲間から監視カメラの録画を受け取っては、毎晩独りで映像の中に犯人を探し続けているのだった。
愛する者を殺された男が執拗に事件の闇を探る内に、いつしか現実と幻の境界線が揺らぎ始める。謎めいた世界で彷徨う彼の前に現れるエレベーターは、どこへつづくのか…。

コメント(0)


トーキョーノーザンライツフェスティバル

ゲストブロガー

トーキョーノーザンライツフェスティバル

“今年も2月8日(土)より渋谷で北欧映画祭を開催します!”


関連日記