2012-11-08

『ボーンズ・ブリゲード』クロスレビュー:「BONES BRIGADE」はストリート・カルチャーの巨大な一つのビッグ・バン! このエントリーを含むはてなブックマーク 

先日、webDiCEさんのご好意で試写を鑑賞しました。

 2001年、ステイシー・ペラルタ監督により制作され日本では02年に公開、全世界でDVDのセールスが100万枚を超え大ヒットとなった「DOGTOWN & Z-BOYS」。 本作「BONES BRIGADE」はその続編…という位置づけとしても楽しめる作りとなっており「Z-BOYS」から「BONES BRIGADE」へと紡がれてきた伝説を再認識し、それらに関わった当人たちが自身を語り尽くすという内容で、スケートボードを通してストリート・カルチャーの過去から現在を読み解く壮大なドキュメンタリー映画となっている。

 監督のステイシーは前作02年の「DOGTOWN & Z-BOYS」のヒットを受け、その後すぐに「BONES BRIGADE」の映画化の打診を受けるも時期ではないと断る。しかし、そんなステイシーのもとに2010年、BONES BRIGADEのメンバーであるランス・マウンテンが「メンバー6人全員がステイシーが「DOGTOWN & Z-BOYS」を作ったときの年齢をこえた、今度は我々のストーリーを描いてくれてもいいだろう」と懇願し、ステイシーは”この言葉で制作を決意した”と監督自身の言葉としてプレスには記載されている。…いささかよくでき過ぎた物語に見える程、仲睦まじい彼らの姿にはさすがに「映画的設定」を感じてしまったが、それも観ているうちに杞憂だったのかと思えるほどに彼らは純粋さを保ったままに大人になっている事に気付く。当時のビデオを交えてメンバーが交互に語っていく姿は、その少年の心を持ったままの彼らと重なりとても映えていた。

 そして、彼らが産み出したテクニックや事象は数知れず、スケーターに限らず現在のストリート・カルチャーに関わる者にとっては彼らを知る事がいかに大切な事かを思い知らされる。

 ビリングに掲載されていない重要人物「クレイグ・ステシック」について一つだけ。彼は「DOGTOWN & Z-BOYS」にも登場し、ヴェニスビーチのサーフショップ「ZEPHYR SHOP」の創始者であり「Z-BOYS」の産みの親でもあり、その彼が「BONES BRIGADE」も名付けており、ステイシーのクリエィティブ・パートナーというよりもゴッドファーザー的な存在だと思うので興味があれば、そこらへんにも注目して鑑賞してほしい。
 彼が手がけた奇抜な広告デザイン、皮肉と反骨的なブラック・ユーモアを反映した独自のイメージはまさに、今・現在行われている様々なストリート・カルチャー的表現の根源である気がして、雑誌のデザインやCDのジャケットなどの制作に関わる自分は、とても感銘した。

 80年代〜90年代に思春期を過ごし、ストリート・カルチャーに少しでも関わった人間ならグっとこみ上げるモノが絶対にある。素敵なオススメのドキュメンタリー映画です。




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taikimezaki

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