ワタリウムで開催中のファブリス・イベール展へ。
農業とアート、というのにもピンとこなかったし、
ワタリウムのサイトに掲載されていた彼のドローイングをみても、
どうなのよ、というカンジがしたけれど、出かけてみた。
会場には、彼が東京滞在中に2週間で書いたというドローイングの展示と、
やはり1週間くらいで描いたというペイントが並ぶ。
その他のフロアでは、ミツバチとミツバチの巣、土とミミズたちが展示されていたり、〝草原〟、ススキや稲穂の仲間10種くらいが植え込まれた〝1本の道〟が。
ちなみに、ミツバチたちは、ちゃんと外へ出かけられるようになっているつくり。。
そして女王サマには、オシルシがつけてあったので、
マジマジと卵を産む様子をシバシ凝視。
また、今回の展示は、美術館のまわりへとタクラミがひろがっている。
神宮前三丁目の交差点のところには、
(ワタリウムのあるキラー通りとムーンスター通りの交差点)
なんと!!
は・た・け、出現。
東京農業大学やグリーンワイズさんの協力もあるとあって、かなり本格的。
暗がりでも、ああ、いい土が入ってる、と分かるくらい。
奇跡的に広がる〝空地〟に広がる野菜畑を前に、
ワタリウムからやってきた人だと思って声をかけたスーツ姿のおじさんが、
「夏までの畑だと言っていたけど、それまでに大きくなるんでしょうか」と何気なくこぼした一言に、わたしは、びっくり。。
食育やら何やら、近頃の子はものを知らないなんていうけれど、
年配の方でも、食物が育つことに自然と接することのない人もいるんだなぁ、と。
関心を持たずとも生きていける、という〝今〟という時代は分かるとしても、
それは今に限ったことではないんだ、ということに驚いたというか。
*
展示は、思っていたよりも、ずっとステキだった。
それはなんというか、ファブリス・イベールというヒトの脳ミソを覗かせてもらい、
彼が抱える原風景を体感し、また彼がアーティストとして、思考する過程、表出していく様子、周りのヒトに伝わって、プロジェクト化していく様子を垣間みるようであり、たくらみが伝染していく感じだ。
そこには天地創造などというおこがましさでなく、
考えていくことや形づくっていくこと、生きていくことの連続性を
この手に触れさせ掴ませてくれるようなものだった。
〝作品〟が変化していく、育っていく、というのもステキだ。
会期中何度でも足を運んでみたくなる。
そう、そのある瞬間は、そのとき限りの姿、
足を運んだときにしか現出しない、ということが、
露になることも、そうそうないもの。
*
ワタリウム美術館
ファブリス・イベール たねを育てる 展
4月26日(土)ー8月31日(日)2008年
http://www.watarium.co.jp/exhibition/0804fab/index.html