ロミオとジュリエットのラブロマンスの先には何があるのだろうか?
普通に恋をし、妊娠出産し、家族3人の生活のスタート。そこには自分の夢の実現と家族の笑顔があるはず。
単なるラブロマンスではない。家族愛のドラマでもない。そこにあるものは、現実生活の真実である。
子供が病気であることが分かったとき、若いふたりは笑ってその困難を切り抜けようともがく。人生の難儀に宣戦布告し、淡々と立ち向かう。自分の夢と現実とのギャップ、幼子へのあふれる愛情、慣れない病院システム、色んな感情が押し寄せ、ふたりに自分を重ね合わせて見た。
ロマンもファンタジーもアクションもけれん味もない。あるものは現実のみ。
家族、友達、医師、看護士・・・人間はひとりではない。見守られて生きていることを実感する。
音楽センスがとってもナイス。
壮大なバッハ、ビバルディからエレクトロまで素晴らしい選曲。ユクセック好き。映画「家庭教師」の主題曲も。
10年前を思い出す想定なので、その頃の音楽シーンを思い出す。
主人公ジェレミーが口ずさむシャンソンも心に響く。
新しいフランス映画のベクトルを示唆する作品だ。