息子を持つ母として、この映画に大変興味を持ち、レビュアー試写会に参加させて頂きました。期待以上に面白く、考えさせられた素晴らしい作品でした。内容はとても怖いものでしたが、明るい音楽と、美しい色彩、そして画面の早い転換が、最初から最後まで、映画の世界に、引き込んでくれました。
私は息子が小さい頃、自分の都合であたりちらしたり、冷たくしてしまった事が何度もありました。その時の悲しそうな息子の顔を思い出すと、反省の気持ちで一杯になります。
しかし息子は、そんな私に大変優しく、とても素直に育ってくれました。奇跡だと思っています。
この映画のような残酷な事件は、実際にも起こっていて、どんな凶悪犯にも必ず母親はいるのです。犯人が精神病である以外は、明らかに子育ての失敗だと思います。犯人の生い立ちなどを見ると、親に愛されていない人間がほとんどです。
今、子育てしているお母さんに言いたいです。どうか、加害者にならないように育てて下さい。大切なのは、子供を心底、愛する事です。
ケヴィンが母を殺さなかったのは、愛していたからでしょう。
父や妹を殺したのは、母を独り占めしたかったのでしょう。
最後に母に抱きしめられたケヴィンの表情は、こちらからは見えないのですが、いつもの険しい表情が、少し安らいでいてくれていたらと、私は願っています。
家に帰ってから、私が息子に対して、いつにも増して優しくなった事は、言うまでもありません。