2008-04-21

笑いと社会性のバランス――『ハンティング・パーティ』 このエントリーを含むはてなブックマーク 

ブログ「だめ日記」から
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リチャード・ギア主演の社会派珍道中『ハンティング・パーティ』の試写。やーおもしろかった。――といってもこの映画、テーマは「あの」サラエボ。

90年代前半、ボスニアの戦火は世界中にショックを与えていた。紛争が一応の終結をみた今もなお、セルビア人指導者にして「民族浄化」ジェノサイドを起こしたラドヴァン・カラジッチは、NATO(ほか)に追われながら逃げのびている。

映画の舞台は00年。落ちぶれたジャーナリストのリチャード・ギアは、元相棒のカメラマンとコネ入社の新人とともに、賞金500万ドルのかかった通称フォックス(カラジッチのこと)の首を取りに発つ!これが実話ベースというのが驚きだ。

チラシにある「アメリカ政府、CIA、国連の一蓮托生の世界的欺瞞とは?」がイマイチ詰めきれてなかったり、とアラもある。けれど、全体におもしろキャラや笑いどころを散りばめ、「破天荒系・冷静派・狂言まわし」とメイン3人の設定も抜群、戦いの悲しみも「SAW」ばりのスリルも盛り込み、ラストもちゃんとオチるというこの口当たりの良さ。

これが、ゼロ年代後半流のサラエボなのかもしれない。笑って楽しんで、帰りにふとサラエボを思い、カラジッチという人間について考える。そうするうちに、「サラエボ」という響きが持つ独特の空気がよみがえってくる。軽さと技巧でまるく収め、痛みをあとに残すやり方。

※エンディングに、「これは実話、これはフィクション」と裏話が出ますが、会場中が「おぉー」となるところがありました。

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mari

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