最近見た映画として「アーニー・リボビッツ」を見たが、同じカメラマンを映し出す映画としては全く種類の違うドキュメンタリーだろう。
あくまで映し出される画は、ジブ・コーレン自身の生き様というよりは、彼を通して見える、とある世界の実情、そして世に事件を叫び続ける男達の、不条理とも言えるような身近な生活。
カメラマンというよりは、どちらかというよりジャーナリストという比重が大きい彼。その彼を通して見える画には、ジブ・コーレンという固有名詞というよりは、何かを知りたい、伝え続けたいという欲求の塊に従い行動し続ける人間の本質的な部分が垣間見れる。
その業界で優れている、という肩書きはこの際どうでもよく、何か自分の中に持つ信念に従い、人生を動かされている一人の人間の姿は、人間の中にある”知りたい””叫び続けたい”という欲求を満たす、一つのヒントになるのではないだろうか?様々な障害の中でも、信念に揺り動かされることで前に進むことの力強さが、人の”何かしたい””すべき”という思いを代弁しているようにも見える。
「1000の言葉よりも」多くを発する写真たち。映像の中に随所に見られる写真たちも、その溢れる言葉を見るものに強く発し続ける。
言葉を発することの難しさ、そしてその困難を乗り越えても続けることの価値。
改めて自分を見つけること、そして自分のすべきことへの険しい道のり、そしてそれに対する覚悟が垣間見られるような気がする。