グレン・グールドというと、「美しき奇士、バッハの斬新な演奏で世界を魅了した天才」の印象が強く、といっても直接知っているわけではなく、後のレコードで聞いた印象。 独特の印象に、また素晴らしい演奏で、気になって彼の人となりを調べてみたことがありました。
余談ですが、日本でもレコードアカデミー賞を受賞されています。
彼の伝説の数々と、短すぎる人生。天才というのは、短命なのかと、悲しくなった記憶があります。
今回の映画では、彼の有名な伝説的部分も多く取り入れられていますが、私が一番印象に残ったのは‥
彼を愛した女性達の証言の数々。これは初めて公開されたのではないでしょうか?何と言っても女性達が証言をしているのですから!
正式に結婚はしていなくて、人妻と数年暮らしていた事実にもなんとなく驚きました。
女性達の証言を聞いていると、彼の優しさや、孤独にも触れることができました。
この映画は、あくまでも伝説を追ったのではなく、一人の男性として、とらえたところが見どころです。
また、彼についての証言で、「彼は、ピアノの演奏家としてだけではなく、音楽の解釈が独特で、その事について、もっと評価されても‥」
私も彼の演奏はもちろんだけど、(バーンスタインとは喧嘩をしたといいますが、)彼の独特の音楽の解釈も、いろんな意味でもっと評価されてもいいのでは?と感じました。
彼の孤独は、結局、癒されなかった‥彼は、愛する、というよりも、愛して欲しかったのでは?女性達の証言を、聞いていて、なんとなく感じました。
「愛は惜しみなく奪え」とは言いますが、愛して欲しかったら、自分がそれ以上に愛したらいいのかなと感じました。
ラストに、彼の財産が、動物愛護協会にも寄付された事とテロップにでます。動物の愛護はもちろんですが、彼の、無条件に愛してほしい望みを感じました。
全編に流れる音楽も素晴らしい。これを聴くだけでも一見の価値のある作品です!時間があったら、また見たいです!