東京は雨続きの週末から、グンと涼しくなり、夜は寒いくらい。
蒸し暑いのが苦手なので、個人的にはこのぐらいが過ごし易くて助かります。
先週いつもの下高井戸シネマに『ゲゲゲの女房』(監督・脚本:鈴木卓爾、出演:吹石一恵、官籐官九郎他、2010年、日本)を観て来ました。
昨年動画サイトで部分的に観た、とても評判のよいテレビドラマ版が、印象に残っていたので、期待して僕的には頑張って早起きして行ったのですが、結論を先に言えば今一つでした。
夫婦や家族の間の葛藤と愛、昭和30年代の時代状況の描写、貸本漫画家の貧困生活、水木しげるの個性と特異なサクセスストーリー、日常に遍在する妖怪…とこの映画は幾つかの要素から成り立っています。しかしそれらのうちのどれかにアクセントを置いて、それを軸にして作品を構築するのではなく、言わば「あれもこれも」という感じで、全てを無原則に詰め込んだ結果、「輪郭」のはっきりしない、雑駁な作品になってしまったような気がします。
昭和30年代の東京が舞台であるにも拘らず、高層ビルが立ち並ぶ東京駅界隈や、調布駅北口のPARCOなどがそのまま背景に映っているのにも違和感を覚えました。
演劇的と言っていいのかな、完結したミニマルな空間で限られた小道具を使って、象徴的に物語を表現しようという意図があるようなので、恐らく意図的なものなのでしょうが、僕にはちゃちな感じしかしなかったです。
途中何度も登場する妖怪達の扮装にも、悪い意味で漫画的で貧相で、異形の存在としてのリアリティが感じられず、インパクトがありませんでした。
個人的に見所は主演の吹石一恵の、地に足の着いた落ち着いた佇まいくらいで、二時間の上映時間は僕には長過ぎました…。
帰りはウォーキングで下北〜東北沢〜笹塚。現在ここ10年で一番経済的に厳しく、ほぼ毎月10日から25日前後までの二週間は本当に爪に灯をともすような生活を強いられているので、小額ながら給料の振り込みのあるその日は、ようやくホッと一息つけたという感じでした。下高井戸と下北の銀行でお金をおろしてから、行きつけの自然食品店でたっぷり食料品を買い、床屋に行って髪と髭を整え、スーパーでビールも購入。帰宅して遅い朝食兼昼食を食べた後、寝不足だったので眠くて参ってしまいました(笑)。
そんな感じで相変わらず気持ちは停滞しているものの、過度に落ち込むことなく、スローペースで何とかやっています。焦って奇を衒ってもいい結果は生まれないし、自分を信じて一歩一歩進んでいくしかないですね。いろいろと立て直さないこともあるけれど、それはま、おいおい…。