2011年02月18日
革命なう@中東 エジプト後、初の金曜日。
10.00 GMT
ムバラク大統領の退陣を告げるスレイマン副大統領の30秒足らずのスピーチを聞いてから、まだ1週間もたっていない。この6日間のあいだに中東では、過去に例を見ない、あるいは過去何年分にもあたるような規模の抵抗運動が、毎日あちこちで並行して起きている。
エジプト後、初めての金曜日(ムスリムの祈りの日)がやってきた。どうか大きな衝突や虐殺がないようにと祈る。
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バーレーン:昨日の未明に殺された人々の葬儀が行われている。プロテスターたちが「バーレーンのタハリール広場」と呼んでキャンプしていた首都マナマのパール広場を、まだ人々が寝静まっていた未明に治安部隊が急襲。催涙弾、ゴム弾(ゴムで覆った金属弾)、バトン、実弾まで使用してプロテスターを排除した。この一方的な攻撃によりプロテスター3名が殺された他、現場で負傷者の救助にあたっていた医師や看護師まで見境なく襲われ、数百名が負傷した。
この国家による暴力をBBCでは「massacre(虐殺、大虐殺)」と呼んでいる。殺された人の数よりもその方法(まったく無抵抗の人間の集団に対する強力な暴力の発動)に対する批判的な視点からの言葉の選択であろう。まったく同感だ。
この視点、この言葉をいま前面に出すことは非常に重要だ。この視点に立ち、平和的かつ無抵抗な市民のデモを権力が暴力で制圧したと、虐殺に抗議するユニバーサルな批判を構築し、この民衆蜂起を一般化しなければならない。なぜなら、バーレーンでの民衆蜂起は宗教対立に根ざしたものであるとの言説が権力側によって作られつつあるからだ。つまり、少数派にして支配層であるスンニー派に対する、貧しい被支配層シーア派による異議申し立てであるとの主張だ。
民衆が求めるものが人権や普通選挙や機会の平等のような、西欧ではそれへの渇望が当然視されるものである場合、この運動は西欧の人々の関心を集め、支持されるが、宗教対立、特にイスラム教内の宗派の対立と定義されると、とたんに人々は関心を失い、虐殺に対する警戒が薄れる。そうなると、内部に不安定要因を抱えてるのでバーレーンの問題はとっとと片付けたい西隣のサウジが、何の遠慮もなく介入してくるだろう。場合によってはアメリカの後ろ盾さえ受けて。
数人の男たちに担がれた遺体の乗る台を取り囲むように群衆が進む。その上をホバリングする軍のヘリコプター。広場の周囲をはじめ、街のあちこちに戦車が配置され、「不測の事態」に備えている。
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リビア:第二の都市ベンガジで大きなプロテストが起きているらしい。数万人規模だそうだ。BBCに出てくるのは素人のフッテージ(おそらくフェイスブックにポストされたもの)と二次情報(通信社のレポーターの取材?)だけなんですが、そのレポートによると「いままでに見たことがない、信じられない規模」だそうだ。
12.00 GMT
首都トリポリにいるBBCの女性記者のレポート。ベンガジでデモの群衆を目撃した当地の法律家の談話として、生まれて初めてみる規模の大群衆が街に繰り出している、いま現在、警官の姿はない、とのこと。リビアでは無許可のデモは完全に禁じられている。また、今日葬られた遺体は23体であったとのこと。
BBCの記者に知らない女性から電話があり(どうやって自分の電話番号を見つけたかわからないと記者は話していた)、現在、ベンガジはメディア・ブラックアウトの状態にあるとのこと。テレビ、ラジオ、もしかするとインターネットも切られている? トリポリでは夕べ、ガダフィ支持の大規模なデモが実施され、ガダフィ自身もオープンカーで参加した。
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エジプト:カイロのタハリール広場には勝利を祝う大群衆が集まっている。民主化要求側はこのデモで、「革命はまだ成就されていない、政治犯は解放されておらず、また非常事態法も引き上げられてない」等を訴え、運動の継続を確認するとのこと。
Egypt holds 'victory march' in Cairo
ENGLISH ALJAZEERA 2011年2月18日
上記アルジャジーラのレポートによると、3名の元閣僚が不正により逮捕されたとのことだが、これは抵抗運動の初期に突然発生したムバラク支持派についての捜査を進める流れのなかでの逮捕とのこと。この3名がお手盛りデモを首謀したかどうかについては言及なし。
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ハーレーン:政府支持デモに参加した女性が電話インタビューに答える。反政府側は少しもピースフルではない。かれらは暴力的なことを「計画している」などなどものすごく雄弁なんですけど、食器洗っている間に忘れっちまうぐらい情報に具体性がなかった。デモ隊に治安部隊がふるった暴力についてはどう思いますかとの質問に対しては、治安部隊は警告を発したのに聞かなかったのだから……。
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12.30 GMT
リビア:BBCの記者が息を切らしながらトリポリの様子をレポートする。デモに参加することはできない。街の通りをマーチする人々を両側の家々の窓から射撃手が狙っている。射撃手は子どもでも見境なく銃撃する。リビアは石油もでるし、たいへん豊かな国なのに、お金は国民に行き渡らず、どこかに消えてしまう。ガダフィとその一族がすべての富を独占している。教育も何もかもまったく立ち後れている。UNも入国を許されていないので調査する者もなく、捨て置かれている。興奮してしゃべっている。
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イエメン:デモ隊に対して警官から発砲があり、銃撃で1名死亡。
13.10 GMT
リビア:BBCの続報。ベンガジでは昨日からデモ隊と治安部隊のあいだで銃撃があり(デモ隊も発砲したのかどうかは不明)、朝4時頃まで続いていた。医師によると、銃撃による死亡者は24名、負傷者は50名以上。
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バーレーン:マナマでは政府支持のデモ、家族連れも見える。現在、バーレーンでは軍によってすべてのデモが禁じられているので、このデモは軍の禁止に刃向かっていることになりますとアルジャジーラの記者(安全上の理由により名前は出さず)。
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リビア:昨日のデモ隊に対し、何か酸性のガスがまかれ、相当数が病院に運び込まれたとのこと。
Libya's deadly 'day of rage'
ENGLISH ALJAZEERA 動画は2011年2月17日(THU)
[LIBYA] Libyan Protests (February 17 2011)
http://www.youtube.com/watch?v=xOhLacsXBTY&feature
動画の最後のほうに出てくるガダフィの息子たちについてはこちらをご覧下さい。
(ウィキリークス)
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/184737109.html?1298037617
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15.30 GMT BBC
バーレイン:目撃者がマナマから電話でレポートしている。昨日死亡したプロテスターの葬儀の列がマーチに変わり、人々がピースフルに行進していたところ、軍が予告なく実弾で射撃。数十人が負傷、外国人のジャーナリストもひとり負傷した。死亡した人がいたかどうかは不明。
リビア:トリポリからラナ・ジャワドのレポート(レポーターの名前をやっと確認。女性)。ベンガジ以外にも3つの街でプロテストが報告されていて、ベンガジからほど近いある町ではプロテスターがガバメントのビルディングを完全に制圧した。
バーレイン:反対勢力のリーダーの話。デモは数千人規模であった。墓地に向かうところ、ランドアバウトに差し掛かったあたりで軍が襲いかかってきた。襲ってきたのは制服を着た軍人たちで、実弾を使った。「皇太子はついさきほど、いまの事態が沈静化したら反対勢力との対話を約束すると発表したが」との問いに、まず、この事態を先にやめること、治安部隊、軍をプロテスターに差し向けるのを直ちにやめることが先だ。デモ隊は非暴力を強く決意しているし、要求が聞き入れられるまでこの抵抗をやめるつもりはない。
16.15 GMT
バーレイン:BBC、首都マナマから。政府支持のデモは裕福な地域で行われたもので、家族連れの多いお祭りのような雰囲気であった。キングの写真を掲げている者も多かった。皇太子による対話の呼びかけは、反対勢力にはまともに受け取られていないだろう。反対勢力の聖職者は、昨日多重殺人を行い、今日また無差別殺人を行い、その一方で対話なぞ茶番だと考えている。病院の話では昨日の攻撃のあと、60名以上が行方不明になっており、たいへん心配されている。