2011-02-04

『kocorono』クロスレビュー:ブッチャーズの音は現実を突き破る このエントリーを含むはてなブックマーク 

色々と考えごとをしながら観ていた。彼らの、言葉のひとつひとつが僕の胸に響いた。重くのしかかる現実。ほとほと厳しいよなぁ…現実。映画前半の空気感は実にリアルで少し痛かった。でも、彼らの音はそれらを突き破る。「生きていくしかないんだ。常にリベンジだ。やってやるよ。」吉村は言う。ヒリヒリとした質感で、音、映像が飛び込んでくる。ピュアでストイックだからこそ、彼らのリアルな状況が僕を痛い気持ちにさせる。ただ普通に音楽がしたい。それだけのことが、めちゃめちゃ難しい。そして、自分の状況と重なる。でも、やってやるんだ。常にリベンジなんだ。生きていくしかないんだ。映画を観てそう奮起させられた。
空、海、街、随所に挿入される風景。とりわけ、冬の海、冬の空が印象的だった。ブッチャーズの音は冬の乾いた空気によくあっていると前々から感じていた。なんだか、ヒリヒリとしていて切ないんだ。この冬、何度聴いたことか。今後も聴き続けるだろう。
「この先どうなるのか。」吉村は言う。本当に僕もそんなことばかり考えている。考えてしまう。でもね、なんかなんとかなる気がするんだ。それは、彼らの音楽や生き様、この映画のような素晴らしい映画に出会ったとき、色々と考えさせられ、それが自分の人生に良い影響を与えてくれるはずだから。

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林誠太郎

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