現在ではアウトドアファンのみならず、広く認知されているアウトドアブランド創始者のイヴォン、ダグの両氏がかつて旅した南米パタゴニア。その映像に感化された若者たちがパタゴニアを目指す道程を記録したドキュメンタリーフィルムとなっています。
この映画を生み出したクリス・マロイ監督が「この映画の主人公は人ではなく自然」と発言していたように、フィルムの大半を占める雄大で美しい大自然の映像は圧巻であり、普段都市で生活する自分にはあまりにも魅力的な世界が広がっていました。同時に、その映像に調和した心地よい音楽もまたこの映画に無くてはならない存在となっています。
一方でこの映画の背景には「自然保護」という重要なファクターを孕んでおり、パタゴニアを訪れる道中に主人公たちは都市化による環境の破壊を危惧する場面に遭遇し、当たり前のように都市で生活する私たちに警笛を鳴らします。
自然の美しさとその儚さの双方を実感したとき、観終わった私たちの心に何か新しい苗を植え付ける映画だと思います。