2008-03-28

Me...Myself ブロークバック・マウンテン効果!?  このエントリーを含むはてなブックマーク 

(今回は、『ミー・マイセルフ 私の彼の秘密』のネタバレがありますので、
まだ映画を観てない方は、ご遠慮ください。もしくは、覚悟をしてください。)

『Love of Siam』、『Bangkok Love Story』と話しておいて、
この作品に触れないわけにはいきません。

『Me...Myself』邦題『ミー・マイセルフ 私の彼の秘密』

これも2007年の作品です。
そして、もうすぐ東京で上映されます!

『Love of Siam』と同じマーケティング手法だったのかはわかりませんが、
この作品も、ポスターを一見するだけですと、
確実に美男美女のロマンス映画だと信じてしまいます。

まあ、「私の彼の秘密」なんていう副題がついてしまってるので、
想像できると思いますが、彼はタダモノではないのです。

彼の記憶喪失からはじまるあたりは、
もしかして韓流ドラマの影響!?なのかもしれませんが、
徐々に彼の過去は明かされていき、
(最後のどんでん返しというよりは、かなり初めのほうから匂わせてはいるのですが)
最終的にいきつくところ、

それは、

彼は、記憶をなくす前まで、おかまちゃんだったということ。

そう、今流行の、お姉マン!

この作品を果たしてゲイ映画と分類していいものかとも思いますが、
確かに、同性愛の問題を扱っています。

タイって同性愛にとてもオープンな国だと思われてますし、
実際、そうであるのもある意味、事実ですが、
タイ映画で、まじめに同性愛を扱ったものというのは本当に少ないのです。

だから、2007年はゲイ映画の当たり年で、
『Love of Siam』、『Bangkok Love Story』、『Me...Myself』という、
同性愛を面白おかしく描かず、
シリアスに描きつつも
決して同性愛者のみをターゲットにしていない
そういう映画が現れてきた年でした。

それはちょうど、『ブロークバックマウンテン』が、
同性愛者にも異性愛者にも、
メジャーな映画館にも、アートシアターにも支持されたように、
タイ映画では意外と珍しい良質のゲイ映画が出現したのです。

(もちろん、良質かどうかは議論の余地がありますが、
少なくとも同性愛を興味半分で取り扱ってないという点では評価できると思います。)

『Me...Myself』では、記憶喪失になったときに女性に惚れた彼が、
徐々に記憶をたどり、自分は以前、同性愛者だったということを思い出します。
彼は小さい頃から、ニューハーフのダンサーたちの中で育ち、
男性を愛するのが当然として育ったのです。

そして、自分は何者なのかということに葛藤します。

ちなみに、アメリカ人の友人(ゲイ)は、この作品に納得いかないようでした。

記憶喪失で自分の性的志向も忘れるものなのか?
大体、ゲイの中で育ったからゲイになるものなのか?
つまり生まれたときは異性愛者で、本当は異性愛者だけど、
同性愛者に育てられたから同性愛者になったということのか?

同性愛に関しては、
先天性なのか、遺伝なのか、はたまた環境などの後天性によるものなのか
と議論がまだなされており、
そういう意味でこの作品は、論争を呼ぶかもしれません。

ただ一ついえるとすれば、
同性愛者であろうと、異性愛者であろうと、
作品としては十分楽しめるということです。

そして、イケメン俳優、アナンダ・エヴェリンハムくんの女装は、
これまた意外ときれいなのです。
特にダンスシーンは必見。

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tkster

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“ども。 東南アジアのクリエイティブに興味あります。”